「ファイナンス思考」はビジネスに必要なセンスの最たるものだ
コメント
注目のコメント
楠木先生とお話しした内容です。
よく話すことですが、常々、事の成否を決めるのは、「理」「心」「運」の3つであると考えています。そのうえで、この3要素が成否に及ぼす影響というのは、おおよそ、
理:心:運=1:4:5
程度ではないかと解釈しています。
https://newspicks.com/news/1135266
ファイナンス思考というのは「理」の最たるものですし、この点から考えれば事の成否に1割程度しか影響を及ぼさない要素ということになりますが、そもそもの向くべき方角が間違えていると、間違った方向に全力疾走するというトンチンカンな状況になってしまうのではないかと思っています。
楠木先生がおっしゃるように、本書で述べているファイナンス思考は、日常生活の感覚からするとあまり自然な発想ではありません。自然な発想ではないからこそ、知っていることと知らないことで、大きな差が出るのではないかと思う次第です。朝倉さんは聡明な方ですね。
余談だが、効率的市場仮説のジーン・ファーマ先生から聞いた話。効率的市場仮説は「マーケットにはミスプライシングはない」(したがって、アクティブな投資は長期的にはマーケットに勝てない)というもの。シカゴ大学で先生のファイナンスの講義を受けたMBAの学生が先生に言った。
「僕は証券業界で成功したいのです。ところがここで習った効率的市場仮説を受け入れてしまえば、ウォールストリートには就職できなくなってしまいますよ。」
先生いわく
「君にとっては残念だが、マーケットというものは現実にそうなっているのだから仕方ないじゃないか...。」
これぞファイナンス科学者の姿勢。ファーマ先生は後にノーベル賞を受賞する研究を始める前は高校の先生でフットボールのコーチをしていたそうで、この辺もカッコいい。朝倉さんの次の言葉に膝が壊れちゃうんじゃないかというくらい「うん!!」と膝を打ってしまいました。本当にそのとおりですね~。
「ファイナンスの純粋な理論を100%理解する必要はないんですが、エッセンスだけは知っておいて、現場にどう埋め込んでいくか、考えることができればいい」
「まったく知らないのとエッセンスを理解して行動するのとでは天と地ほどの違いがあります」