人間の寿命に上限なし? 105歳を超えると死亡率が低下

2018/7/22
1900年以来、医療や衛生状態、食糧供給の改善により、世界中で平均寿命が2倍以上に延びている。だがイタリアで行われた高齢者に関する最新の研究によると、人間はまだ寿命の上限に達していないようだ。
「人間の寿命に生物学的な限界があるとしても、われわれはまだそこに近づいていない」と、ローマ大学の人口統計学者エリザベッタ・バービーは語る。バービーと彼女のチームによる寿命に関する研究結果は、サイエンス誌6月29日号に発表された。
現在、世界で最も長生きした記録の持ち主はジャンヌ・カルマンというフランス人女性。21年前に死亡した時は122歳だった。以来、彼女を超えるほど長生きした人物はいない。
ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームは2016年に、カルマンはきわめて例外的な存在だったという大胆な主張をした。彼らの研究によれば、人間の寿命には限界があり、最長で115歳程度。すでに人類は寿命の上限に近づいているという。
多くの学者がこの研究を激しく批判した。マギル大学(カナダ)の生物学者ジークフリード・ヘキミは、この研究は「データが非常に貧弱で、統計に重大な欠陥があった」と述べた。

超高齢では死亡率が横ばいに

寿命の上限に関する研究には、2つの統計的な問題がつきまとう。