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2018/6/28
日本大学アメリカンフットボール部の危険タックル事件は、発生以来、連日に渡ってニュースやワイドショーで報じられるなど、日本中の関心をさらった。なぜ、ここまで国民の怒りを駆り立てたのか。
世界陸上選手権の2大会で銅メダルを獲得し、アメフトなどのプロスポーツの世界に精通した元プロアスリートの為末大氏、イチロー選手、中田英寿選手などの信頼も厚いノンフィクション作家の小松成美氏に、「体育会」という究極の日本型タテ社会の問題の本質について激論を交わしてもらった。
為末 日大アメフト部の問題は、ある種日本のタテ社会を象徴する出来事でした。しかし、メディアを中心にバッシング一色に傾く中で僕が思うのは、「皆さん、自分の人生を振り返ってドキっとしませんか?」ということです。
個人ではだめだと思っていても、組織の命令や空気によって、やってしまっていることってないでしょうか? 僕は正直、あの出来事を見て自分の人生は清廉潔白だとは言い切れませんでした。
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コメント
注目のコメント
日大アメフト部の悪質タックルから1ヶ月半。オリンピックアスリートであり、また起業家として集団を率いる為末大さんとの対談で、胸にあった思いを語り合いました。
「僕が選手だったら、タックルしていたかもしれない」と言った為末さんですが、同時に雑談の中ではこうも仰っていました。
「ああした追い詰められる状況になったら、僕は(その状況から)逃げますね」
ヘッドコーチの指示に従うしかない、やるしかない、と相手のQBに襲いかかった日大の選手と、「逃げる」、つまり、自分の属する集団から離れてもその事態を容認しない、と語った為末さんの間には何があるのか。
この対談の続きを、ぜひまたやりたいです。まさに戦前の軍もそうだったのでしょう。みんなが間違っているとは薄々気づきながらも、結果がでている、今の方が都合がよいで、暴挙を容認する雰囲気をつくりあげてしまい、もはや誰も何も言えなくなってしまった組織になってしまった。
これは日本だから起こる問題ではなく、世界中どこの国の組織でも起こる問題でしょう。それは歴史を見ればわかります。
こういう組織は時代に合わなくなった時に暴走し崩壊しますが、どうやってそうした組織を産まないようにするのかは社会として大きな課題と思います。でも、人である限り、こうした組織を防ぐのは相当に難しいのかもしれませんね。
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