目標達成の超エリートに学ぶ

ペンシルバニア州にあるスクラントン大学によれば、新年の目標を立てた人の実に92%が目標を達成していないという。筆者もそのひとりだ。目標を達成できないというのはいら立たしいものであり、自分を後退させる可能性もある。
つまり、残りの8%は「目標達成の超エリート」ということだ。彼らがしていて、私たちがしていないことはいったい何だろう。

1. 終わりを意識しながら物事を始める

目標を設定するときは、自分がどこに向かうかを知っている必要がある。目標を書くときにはまず、最終目的地までの道のりを把握しておかなければならない。明確なロードマップがない目標は結局、ただの夢物語だ。
目標を紙に書いたら、そこに到達するのに必要なことも全部書き出そう。これらは下位目標であり、目標達成の助けになるリソースでもある。

2. サポートシステムを構築する

能力や生産性の高い人は、すべてを1人で抱え込まない。メンターやコーチ、アドバイザー(またはアドバイザーチーム)の助けを借りたほうがうまくいくし、時間の節約になると知っている。
もしあなたがテニスの上達を目指していたら、おそらくはインストラクターを雇って、サーブやバックハンドボレー技能の向上を助けてもらうはずだ。大きな目標の設定や達成もそれと同じだ。
あなたの成功を気にかけ、目標へと後押ししてくれる協力者を見つけ、専門家のネットワークを構築しよう。彼らと定期的に会い、知恵や助言を求め、彼らの言葉に耳を傾けよう。

3. 具体的かつ挑戦的な目標を設定する

エドウィン・ロックとゲイリー・レイサムの研究によれば、「具体的」かつ「挑戦的」な目標という2つの原則に従うと、90%の確率でパフォーマンスが上がるそうだ。
たとえば、年末までに体重を30ポンド(約13.6キロ)減らすという目標は挑戦的かもしれないが、どんな行動をするかという点に関しては不明確で具体性に欠ける。
その代わりに、次のような目標を設定しよう。「砂糖、パン、ソーダの摂取量を減らし、7月中に5ポンド(約2.3キロ)減量する。さらに、毎日20分早足で歩く」。これくらい明確化すれば、目標達成の確率は劇的に高まる。

4. 先延ばしにしていることを認識する

私たちはみな、何らかの形で先延ばしに苦しめられている。重要なのは、先延ばしの理由を理解することだ。タスクや仕事の目標に不快感を持っており、それが回避の原因になっている人もいる。以下では、あなたの助けになる3つの簡単な戦略を紹介しよう。
・先延ばし対策として、優先順位が明確なToDoリスト、スケジュール、タスク完了のタイムフレーム、目標達成の期限を設定する。

・期限から逆算し、遅れないために必要な時間、始めるべきタイミングを把握する。

・一度に1つのタスクに集中する。通説とは真逆だが、マルチタスクは非生産的だ。有能な人たちを見習い、対応可能なステップに作業を分解しよう。

5.「52:17の法則」を実践する

日々の目標に向けて仕事をするときは、52分働いたら、17分休むようにしよう。スポーツの世界で「インターバルトレーニング」と呼ばれる手法だ。
『PEAK PERFORMANCE 最強の成長術』(邦訳:ダイヤモンド社)の著者ブラッド・スタルバーグとスティーブ・マグネスは、生産性向上のためにインターバルを設けることは、才能あるアスリート以外にも有効だと気づいた。
ある研究によれば、最も生産性が高い従業員たちは、平均52分を仕事に集中したあと、17分休み、再び仕事に戻るというルーティーンを好むそうだ。日々の目標に向けて最大限の生産性を維持することは、決して長く働くことを意味しない。頻繁に休憩し、賢く働くことだ。

6. 集中するために音楽を聴く

目標達成のために集中力と生産性を維持するには、音楽が非常に有効であることがわかっている。重要なのは、まずはいろいろな音楽を試し、あなたの助けになるタイプを見つけることだ。おすすめのツールは「Focus at Will」。集中力を高める効果があると科学的に証明された音楽を使用している。
音楽ではない背景ノイズも、同様の効果が証明されている。こちらは「Try Coffitivity」がおすすめだ。カフェの環境音を再現するツールで、創造性を高め、仕事をはかどらせてくれる。

7. マルチタスクをしない

成功するには、超高速で行動し、可能な限り多くのことを同時進行させるべきだという通説がある。しかし実際のところ、大成功を収めている人々はとても忍耐力があり、決していくつものことを同時進行させない。
マルチタスクは迷信であり、脳に悪影響を及ぼしかねないという研究結果もある。多くのタスクに集中力を分散させる結果、集中できなくなり、仕事の質が下がり、目標達成に時間がかかるのが落ちだ。
新年の目標を達成する8%のエリートたちには、いくつかの小さな下位目標に取り組みながら、大きな目標を達成していく能力がある。ただし、彼らは1つの小さな目標を終わらせ、それから次に進むという方法をとっているのだ。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Marcel Schwantes/Principal and founder, Leadership From the Core、翻訳:米井香織/ガリレオ、写真:Sezeryadigar/iStock)
©2018 Mansueto Ventures LLC; Distributed by Tribune Content Agency, LLC
This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.