トランプ氏、「宇宙軍」創設を国防総省に指示
コメント
注目のコメント
この記事でさらっと書いてますが、コーストガード(沿岸警備隊)は軍である事。役割をキチンと分けて分業している事がわかります。立場を分けて活動する事で軍のあり方を明確にしています。その論理で行くと「宇宙軍」は空軍ではなく分ける事に意義はありそうです。ただし、空軍は離したくないでしょう?
アメリカ軍による宇宙関連予算は機密でない分で1兆円規模のよう。これに加えて、軍から独立したNRO(アメリカ国家偵察局)があります。平たく言えばスパイ衛星を作っている機関。こちらの予算は公開されていませんがおそらく1兆円規模。つまり軍事部門の予算はNASAの予算(2兆円)と同程度かそれを上回る規模があるわけです。
で、今回の宇宙軍創設は、前者の空軍の宇宙関係のお仕事を切り離して独立した軍にしようというもの。だから「宇宙軍を創設」と聞くとなんかSFな感じがするけど、特に新しいことをやるわけじゃない。
じゃあ、なんでトランプがこれをやりたがっているか。謎ですが、まあきっとこのSF感で中間選挙の票取りをしたいのと、「宇宙軍の創設者」として名を残したいという、アメリカのためでも世界のためでもなくいつも通りのエゴの塊のようなモチベーションでしょう。以前から話題にはなっていましたが、具体的に動きはじめましたね。
本文にもある通り、スターウォーズ計画の頃にはアメリカには宇宙軍(United States Space Command)が存在していました。
ただし、陸海空軍、海兵隊、沿岸警備隊の5軍とは異なり、空軍傘下の統合軍の一つで、今回とは位置付けが異なります。
宇宙軍はスターウォーズ計画の頓挫に伴い、無駄な組織ということで格下げされ、現在は第14空軍傘下の統合軍の一つ戦略軍にある、宇宙統合機能構成部隊に、空軍宇宙軍団、宇宙ミサイルシステムセンター 、宇宙優勢システム航空団の3つの宇宙部隊が配備されています。
今回の話は去年の夏頃に下院で、陸海空海兵隊に次ぐ第五の兵科として宇宙軍創設の法案が可決されたことに始まります。
しかし、相対的に予算を減らされる空軍が大反発し、積極的なロビー活動を展開。
上院でこの法案を葬り去りました。
しかし、トランプ大統領らはこうした体制では即応性が悪いとして、改めて宇宙軍の創設を求めているというわけです。
ちなみに宇宙軍と言ってもスターウォーズのように宇宙空間でドンパチするわけではなく、衛星軌道上にある約2万3000の衛星の監視と運用がメイン業務です。
一見地味ですが、いざという時、先に衛星を敵に潰されて、相手の状況がわからないまま一方的に奇襲を受ける「宇宙からの真珠湾攻撃」を避けるのが宇宙軍の最大のミッションとされています。
尚、今回も前回と同様空軍の激しい反発が予想され、最終的に議会を通過するかどうかはまだ不透明です。