香りの世界に革新 コンテクサ社の香料自動調合機
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視覚はVRのHMDや網膜投影、画像生成技術などが盛んであるし、聴覚も音声認識技術や非可聴域とされた20kHz以上の周波数によるハイパーソニックエフェクトなど、比較的解明が進んでいるが、味覚、嗅覚、触覚は、まだまだフロンティア領域だ。
ヒトの嗅覚受容体は396種なので、理屈上は400種程の原料を組み合わせれば数十万種とも言われる人間が区別可能な殆ど全ての香りを作ることができるが、一般に匂いの元となる分子(空気中を飛べる分子量300未満程度の大きさの物質)は、1つの分子で複数の嗅覚受容体を活性化させるので、一次独立(最も少ない)な原料のセットを作るのは難しい。それで1500種もの原料が使われているのだろう。
嗅覚は聴覚とともに大脳基底核に直接のパスがあり、ダイレクトに情動に訴えやすい一方、記憶と結びつきやすいこともあり、経験の違いなどによって感じ方の個人差が大きいという難しさもある。また、「匂い疲れ」など履歴にも依存する。
味覚は味自体のセンシングはかなり進んでいるが、「食」はやはり舌以外の要素(香り、食感、見た目、温度、説明、シチュエーション、一緒に食べる相手、気分、説明、など)が大きく、総合的な理解はまだまだ難しい。触覚も、極めて複雑な作用で定量化し難く、今後も様々なスタートアップが出てくると思う。
この企業の革新は、レシピを原料の重量による計量から容量による計量に変えることで、重量計を使わずに医療や生物学研究で使われるようなマイクロピペッターによる計量に切り替えたことでしょうね。
しかし、いくら混ぜるの速くなっても、こういうのは最後は感性だからなあ。香料セクター!
記事にも出ているGivaudanやFirmenich以外には、IFF(International Flavors & Fragrances)、Symriseなどが専業でいる。あとはCotyやKerryが化粧品や食品とあwせてやっている。