天安門事件から29年 中国、強まる人権弾圧
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習近平総書記を中心とする中国共産党中央は、自らの権威を高めるために経済や社会の管理を強化してきました。締め上げてきたのです。
鄧小平氏が指示した目標である小康社会を達成した後の「新時代」の中国を領導するために、鄧小平氏が進めた改革開放・市場経済によって低下した共産党の権威を再度高める必要があるのです。
中国は、経済構造改革の必要に迫られています。痛みを伴う改革に抵抗する権力者たちを抑え込むためにも、党中央の権威を高める必要があります。
こうした状況の下で、中国共産党による締め付けはまだ続くと考えられます。
そもそも中国共産党が恐れるのは、個々の人権問題等が横に広がり社会問題化することです。すでに中国国内では年間15万件以上の暴動等が起こっていますが、何件起こっても社会全体に広がらない限り怖くはありません。
しかし、社会問題化して党中央が包囲されるようになると、共産党の統治が覆される可能性があります。中国共産党自体、共産主義革命によって政権をとった訳ではなく、食べられなくなった農民たちの不満を結集して、周辺から中央を包囲したのです。
中国共産党は、自らが倒されるとしたら、社会の不満が結集して包囲されるという形になるのだろうと考えるからこそ、社会の不満を結集するような、人権活動家や人権派弁護士に対する締め付けを強めるのです。中国は先の大戦で、弱体な政府(あるいは無政府状態)の悲惨さというものを、身にしみて経験している。
治安も財政もメチャクチャになり、他国からも蹂躙された。
それがトラウマのようなものになっていて、今もなお、統治体制がゆるむことを極度に恐れていると思う。
この感覚は本能的なもので、日本で言えば、「放射能」に対する無条件の恐怖感に似ているのかもしれない。
中国における人権の弾圧は深刻だ。
しかし、「強固だが過酷な政府」と「寛大だが弱体な政府」のいずれがましか、と考えた時、中国人は前者をとるだろう、
という観測にも否定しきれないものがある。
いずれ中国のGDPはアメリカに並ぶわけで、中国が強大化していくこと自体を支持する中国国民は、決して少なくないのではないか。