[サンフランシスコ 23日 ロイター] - 米電気自動車大手テスラ<TSLA.O>は次々と悪材料に見舞われているが、新型セダン「モデル3」の生産状況改善に伴って、今後株価が急伸する公算が大きい──。ベアード・エクイティ・リサーチのアナリスト、ベン・カロ氏は23日、こうした見方を示したリポートを公表した。

トムソン・ロイターのデータによると、カロ氏はテスラの投資判断を「買い」としている9人のアナリストの1人。「売り」判断は8人、「中立」は9人だ。

カロ氏は、工場の事故や幹部移籍、生産停止などのニュースが投資家の悲観論につながっていると指摘。ただテスラが生産のボトルネックを解決してモデル3の生産が増えるとともに市場心理の好転が見込めると強調し、過去1カ月間に流れたテスラに関するマイナスの報道は「次第に取るに足りない」内容になっていると付け加えた。

テスラ株は23日こそ1.5%高で引けたものの、四半期決算を発表した今月2日以降では依然として7.0%下げている。昨年9月に記録した終値ベースの過去最高値からの下落率は25%を超える。

背景にはイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が繰り返し、モデル3の生産目標達成に失敗してきたことがある。同社はモデル3をてこに大衆市場向けの電気自動車メーカーとしての地位を確立することを目指している。運転支援システム稼働時に重大事故が起きたことや、主要幹部の退社なども投資家の不安を誘った。

アナリストが設定しているテスラ株の目標水準の平均は289ドルで、1カ月前の326ドルから切り下がった。カロ氏の目標は411ドルと、23日終値を約50%上回っている。