EUのエネルギー事情:原子力はフランス、天然ガスはイギリス、石炭はドイツ、風力・太陽光・バイオマスはドイツ・・・
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注目のコメント
こういう記事が出ると、やっぱり再エネダメだねってなりかねないのでコメントします。
エネルギー事情というのは、現状です。
将来的な話とは分けて考えるべきです。
当然、再エネは既存電源を代替できるほど普及してないので、この結果は妥当です。
これが2030年以降も続くかは、国の方針に依るところもありますが、少なくとも再エネはじわりじわりと延び続けると思いますし、いずれ原子力・火力を代替できるほど普及するはずです。
出力のボラティリティ問題も取り上げられますが、永続的な問題ではなく解決可能な問題です。
そのためにデマンドサイドレスポンス(系統運用)とか、コネクトマネージとか、過去の遺産を見直しているわけです。
こうしたことを毛頭から否定して、火力だの原子力だのいう人は何もわかっていませんよね。
どこまで行っても最後は経済合理性です。
そういう意味では、再エネとか火力とか関係ないです。
この記事を読む方はその辺りを頭に入れて読んでいただければと思います。欧州の発電事情についてまとまっている記事。再エネが30%まで増加しているものの、非再エネでは石炭→ガスのシフトは進んでいるがガス(19.7%)と石炭(無煙炭11.0%+褐炭9.6%=20.6%)の比率は同程度なのが現実で、また原発が最大(25.6%)。
なお、日本は2015年度ベースで、ガスが44.0%、石炭31.6%、水力9.0%、新エネ4.7%。
https://sustainablejapan.jp/2017/06/06/electricity-proportion/13961EUは共通の電力網で繋がっており、「電気そのもの」に国籍が無い以上、デンマークでは・・のように各国の比率を取り上げる事にあまり意味はないと思います。
天然ガスの推移は、クリミア・ショックでロシアからの供給に危機が生じた影響でしょう。エコの観点で増減したのではなく、恐らくエネルギー安全保障の観点かと思います。
ともあれ、化石燃料の燃料費については近年安くなっていますし、風力発電・太陽光発電の導入率が上昇しているのですから、「燃料費」は削減されているように思えますよね。ところがEUの電気代は上昇傾向にあります。
これを「矛盾している」と考えるのは私だけでしょうか。
実態は「値段が高くなってもエコなのだから仕方ない」などと思考停止しているのではないでしょうか。
太陽光・風力発電は、「曇った」「風が止まった」という理由で発電する事ができません。
一方で、火力発電は一旦燃料消費を停止すると、再稼動に時間がかかります。
では「曇った」「風が止まった」時、再稼動待ちの停電をしているでしょうか?・・していませんね。
何のことは無い「【燃料の燃焼は続けながら】発電機のみを止めている」というわけです。と言う訳で、多くの場合ちっともエコではありません。
特に風力発電の場合は酷く、風が強すぎると「電気を使って」ブレードを停止しなければなりません。定常的に風が吹くと噂されるデンマークでも、設備利用率は25%程度です(洋上で40%程度)が、仮に75%の半分が強風状態だとすると、むしろ燃料消費を加速している施設とも言えそうです。
というわけで、既存発電による「燃料消費」が減っているのかどうか?を問題にすべきです。導入「率」のようなKPIを導入すると、このような詐欺が発生しやすいと思います。
尚、「高品質な電気」とは、電線を計画通り、安定的に電気が流れることです。しかしながら、天候任せの発電は間違いなく品質を低下させます。
その証拠に、例えば電力需要の高いドイツでは現在、周波数が不安定になる事態まで発生しています。
燃料消費量を削減できない上に、品質が低下して、電気代は高くなっている・・。
「なんとなくエコっぽいから」とかの理由で進めてはならないと思います。
未来の技術ならば、商用実用化せずに研究施設でやっとけと思いますね。