[東京 18日 ロイター] - 公正取引委員会の山田昭典事務総長は、18日の定例会見で、金融庁の有識者会議の提言を受けて地域金融における競争のあり方を検討する場が設けられれば、公取委も参加したいと述べた。

金融庁の「金融仲介の改善に向けた検討会議」(座長=村本孜・成城大学社会イノベーション学部教授)は11日に公表した報告書で、新しい競争政策のあり方を政府全体で議論すべきだと指摘。菅義偉官房長官も翌12日の会見で、人口減少に伴う地域金融のあり方について「政府全体で議論する必要がある」と述べた。

山田事務総長は、報告書について、市場シェアの高まりと金利の関係、市場画定の方法、海外諸国における監督官庁と競争当局の関係など「われわれの観点からすると、若干疑問があるような内容も含まれている」と述べた。報告書が、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)<8354.T>と十八銀行<8396.T>の統合計画の審査に影響を与えるか、との質問には明確に答えなかった。

報告書は、FFGと十八銀の統合計画について、経営余力のあるうちに公取委が承認し、地域に貢献する方が望ましいと指摘。両行が統合後も地域に貢献するよう金融庁がモニタリングし、寡占の弊害が認められる場合は是正させる必要があるとした。

(和田崇彦)