簿外債務40億円超で倒産した物流会社、粉飾決算で資金調達繰り返す
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このケースで命取りだったのはおそらく多重リースでしょう。
中小企業の粉飾決算の中で、もっとも発見し辛い、しかし一番破綻の原因になりやすいものの1つで、多重リースに手をだした会社はほぼ100%悲惨な末路を辿ります。
私も以前年商8億ながら4億円以上の多重リースを抱え倒産した会社の再生を担当しましたが、一応プロであるはずの私でさえ、いくつもの関連子会社を通したリースの仕組みを紐解き、銀行に説明するのは一苦労でした。
中小企業に多い税務会計では、リースは銀行借入と異なり負債として計上されません。
つまり、純然たる簿外負債です。
しかしそれ故に粉飾の仕組みが知らない人には分かりづらく、素人が簡単にできるものでもありません。
金融を知り尽くした元銀行マンの社長だからこそ手をつけてしまった魔の粉飾手法だと言えるでしょう。多重リースかぁ…
過去、とあるM&A案件でDDを行った際、ギリギリまで見抜けなかったんだよなぁ
その時はオフサイト(現場に行かず、バーチャルDDルームで、基本、書類のやり取りで行うデューデリ)でやったんですが、僕は販管費担当だったんです。
事業規模に比して支払いリース料が多いのが引っ掛かってはいたのですが、他の費目にてこずり詳細検討ができていなかったんです。
最終的にB/S・法務との突き合わせの作業において判明し事なきを得たのですが、合同の検討会がなかったらやばかったな。
最初に気づいたのはCF担当者でした。彼女は最初から粉飾決算を疑っていたそうです。
それ以来、僕のなかでまずはCFを重点的にチェックするクセがつきました。
今はM&Aアドバイザーの案件担当者として、一人でバリュエーションを行うことが多いですが、効率よく粉飾決算を見抜けるための本当に良い経験になりました。
あのCPAさんは本当に優秀な女性だったなぁ。
この事が、『cash is a fact,pl is an opinion』を理解させてくれたんですよねこれはひどい…
けど、知り合いでも会社買ったら簿外債務がひどくて…とか変な契約があとからわかって、とかけっこうあるときく。
中小企業なんてそんなもんなのかも