【佐山×森】夜の接待よりもゴルフに行きたくなる理由

2018/3/23
インテグラル代表の佐山展生氏とレノバCFOを務める森暁彦(Aki Mori)氏。各分野で大活躍する2人の共通点はゴルフが大好きということ。それはただの趣味ではなくビジネスにも生かされているという。年間100回以上ラウンドしたこともある佐山氏と、「同世代にもっとゴルフを楽しんでほしい」と言う森氏のラウンドが成田ゴルフ倶楽部で実現。テーラーメイドゴルフの新製品「M3」「M4」シリーズを手に、ゴルフへの思いやビジネスに役立つ理由も聞いた。
ゴルフをすればどんな人かわかる
準備を整えた2人がホールにそろい、いよいよラウンドがスタート。
まずは、ゴルフにおいても先輩になる佐山氏からティーオフ。練習場ではナイスショットを連発していた佐山氏だったが、出だしの一発目はまさかのミスショット。
「練習場でよかったものだから、力んでしまいましたよ(笑)」
ミスショットを笑い飛ばすように話してくれる佐山氏。どんなホールでも1打1打に真剣だ。
一方の森氏は練習場では不調。それが逆に慎重にティーショットに挑む要因になったのか、ナイスショットでスタートした。
基本的にゴルフは、プレーの際に同伴競技者が存在する。個人スポーツだが自分のプレーに没頭していればいいわけではなく、同伴競技者のプレーにも目を配るのがマナーだ。
だからこそ、その人がどのようなゴルフスタイルなのかを感じることができ、さらにはどのような人間なのかを想像することができる。
一緒にプレーしたテーラーメイドゴルフの柴崎氏のショットにも目を配る佐山氏
よくゴルフは人生の縮図だと表現されるが、それほどゴルフは奥深く、魅力的なスポーツだと佐山氏はとらえている。だからこそ、ミスがあっても冷静さを失うことがない。
「ミスをしても全ては自分が悪いわけで、そこがゴルフのいいところ。機嫌が悪くなったり、キャディさんにあたったり、その人の人間性が出ますよね」
佐山氏はこの日何度かバンカーにつかまったが、焦ることなくショットに挑み、その後はバンカーの砂を自身でならして、バンカー内から出る。まさにスマートゴルファーの見本とも言えるべき動きだ。
「スコアが良いか悪いかは関係ない。大事なことはエチケットが身についているかどうか。だから人間性の出るゴルフは、ビジネスに役立つんです」
佐山氏のプレーぶりに刺激を受けていた森氏。いつも以上に目の前の1打に集中できたと振り返る。
「佐山さんのプレーファーストかつ真剣にゴルフに取り組む姿勢は勉強になりました。自分自身もプレーが丁寧になり、それが良いショットに繋がったのかもしれません」(森氏)
「初めて使うクラブでここまで良いショットが打てることに驚きました。まさにテクノロジーの力だと思います」(森氏)
序盤は調子が出なかった佐山氏も徐々に当たりが出始めた。
「やっと当たりはじめたので、もう少しラウンドしたかったですね」(佐山氏)
この日は撮影ということでプレーはハーフで終了。大のゴルフ好きの2人は、もう少しプレーを続けたい様子だったが、またのラウンドを約束しプレーを終えた。
初対面とは思えないほど打ち解けぶり。これも、ゴルフが持つ特別な力なのだろう。
夜の接待に時間を費やすなら
ゴルフの練習を
──ラウンドお疲れ様でした。ここからは、改めておふたりのゴルフへの思いやビジネスとはどう関わっているかをお聞きしたいと思います。
佐山 私は大学を出てから帝人に入り、愛媛の松山に配属になったんですが、そこで同期と一緒にゴルフをやり始めました。ショートコースが近くにあり環境も良かったので、結構早い段階でハーフ30台を出すこともできました。
その後、銀行に転職し、東京勤務の間はゴルフから足が遠のいてしまいましたがニューヨーク時代は、春から秋までは、銀行の仲間とよく行きました。
2001年に、成田の総成カントリー倶楽部(現レイクウッド総成カントリークラブ)の会員になり、初めてゴルフ場の月例競技に出たら、みなさんの真剣さに衝撃を受けたのです。
やるからには、真剣にやろうと思ったのをきっかけに、初めて真剣に打ちっ放しに行き、ゴルフに真面目に取り組むようにしたところ、むしろ下手になりました。
どうクラブを振り上げていいか分からなくなり、初めてレッスンを受けたんですが、ビデオで自分のスイングを見て、ショックを受けてね。
ゴルフレッスンを受けて真剣に取り組んだころのピーク時は、年間120回以上くらいラウンドに出ていたこともあります。今は少し回数も減り、昨年は80回くらいでした。
ゴルフができず担当を外されたことも
 私は社会人になってから必要に駆られてやりはじめたのが最初です。
きっかけは、ゴールドマン・サックスにいた2010年頃、とある大きなディールがあり、クライアントのCFOチームとして欧州出張をする予定でした。ただ、そのCFOはゴルフをされる方で、他のライバルとなる証券会社がゴルフにアテンドするなか、私はゴルフをやっていない。これはゴールドマン・サックスのバンカーとして許されず、急きょ、違うチームへ異動せざるをえないという事態に。
驚きというか、こういうことになっちゃうんだなと自分の甘さを実感させられました。そうした苦い経験から、とりあえずゴルフセットだけは買い揃えたのですが(笑)、しばらくは仕事も忙しく、なかなか真剣に取り組むことができずにいました。
2回目の転機が3年前。金融機関を辞めた際、相性のよいコーチと出会い、本格的にゴルフにハマるようになりました。
ゴルフはビジネスの必須科目
佐山 会社の経営者やCFOといった人たちは確かにゴルフが好きな人が多いですからね。ゴルフ自体がビジネスに役立つと言うよりも、ゴルフを通じて人とのつながりができ、それが結果的にビジネスにつながる。だからこそビジネスにゴルフは“必須科目”だと私は思っています。
夜の食事などはもちろんビジネスの話はするでしょうが、いわゆる世間話で終わってしまうことが多くなりがちです。
ゴルフは一度行ったら、半日以上一緒にいてお互いに自分をさらけ出すわけですから、その人の人間性がわかるんです。極端にいえば、1ホール回っただけで、その人の性格がよく出てきます。
 私のプレーはどんなご印象でしたか。
佐山 きっちりされているなと思いました。最初にお会いした印象通りというか、予想通りきっちりされている。
──自分をさらけ出すとは、具体的にどのようなことですか?
佐山 ゴルフは基本的にノータッチでプレーするのがルール。その前提で、相手がどのようにプレーしているのかで、ゴルフに対してどれだけ真剣にやっているかがわかります。
例えば、カート道にあるボールの動かし方とか、最初にカップインさせた後にピンを持つかどうか、バンカーの入り方やバンカーショットの後に自分で砂をならすかどうかなど、いろんな部分でその人のゴルフへの取り組み姿勢がわかります。
ゴルフでいちばん大事なことは、エチケットなんです。シニアで偉い人ほど、エチケットができていなくても誰も注意しません。ゴルフを始めたら、まず、エチケットとルールを勉強するといいと思います。エチケットができていない人とは、次に一緒にゴルフをしようという気にならないと思います。
 ゴルフのマナーやプレースタイルで人となりがよくわかります。すると、「あ、この方とは一緒にビジネスができるな」という印象を持ったり、逆に持っていただけたりします。
佐山 それももちろんありますが、私の場合はゴルフを通じて直接仕事に繋げるというよりも、ゴルフを介して色々な人と親交を深められることに魅力を感じています。ただし、結果的に仕事に繋がっているケースもあるかもしれませんが。
佐山氏の直伝マナーリスト
──おふたりはゴルフに関するエチケットを、どのようにして学んだのですか?
 私の場合は、弊社の会長である千本倖生氏が某名門カントリークラブのメンバーで、公私のゴルフに一緒に連れて行ってもらうことが多くありました。そこで学ばせてもらったことが大きいです。
千本会長などのメンバーの方々は皆さん速やかなプレーをする「プレーファースト」を徹底されていらっしゃいますし、バンカーなども必ず自分でならします。千本会長からは服装や立ち振る舞いなど、たくさんのことを教えていただきました。
佐山 インテグラルでは年に一度、全員でゴルフをやる機会を設けています。エチケットを覚えることも目的のひとつですが、ビジネスにおいてゴルフを大切だと思っているので、ゴルフをはじめるきっかけ作りにもなればと考えています。
これだけは守るようにと私自身が作ったマナーリストもあるんですよ。
大和ハウス樋口会長の名言
佐山 ゴルフを通じて出会った経営者とは、色々なエピソードがあります。例えばこんなことがありました。
大和ハウス工業の樋口会長とは廣野ゴルフ倶楽部でプレーした際に、スタートホールがまっすぐなパー5で、グリーンもよく見えるホールなんですが、グリーン上にも前の組が全然見えず、前の組がいるかどうかも分からなかったんです。
みんなが第1打を打ち終わると樋口さんは、「佐山さん、前に追いつきましょう」っておっしゃったんです。私もプレーは速い方ですが、前の組が見えないのに追いつこうと言われたことは初めてですよと言ったら「前の組が見えなくても追いつこうと思うくらいじゃないと、経営はできないよ」と(笑)。さすがだと感動したのを覚えています。
佐山氏もラウンド中はいつも駆け足
 大経営者の名言ですね。今回、金融業界のレジェンドである佐山さんとご一緒させてもらえたのも大変光栄なことです。これもゴルフのおかげだと感じています。
私は今30代のビジネスパーソンで、CFOとして事業パートナーや金融機関のシニアマネジメントとお仕事させていただいています。結果的に、50代、60代の方とご一緒させていただくことが多いのですが、ゴルフという共通の話題があるからこそつながることができるのだと思います。
佐山 経営者はゴルフ好きで真剣に取り組んでいる人が多いですし、ゴルフは間違いなくビジネスに役立つ最強ツールです。真剣にゴルフに取り組んでいる人とご一緒すると、気持ちが良いし、自分への刺激にもなります。だから、また次も一緒にラウンドしたいと思う。
相手にとっても同じことで、相手にまたゴルフを一緒にしたいと思われなければならない。それは先ほども話したようにゴルフの上手い下手ではなく、エチケットがきっちりできているかどうかなんです。
偉そうなことを話していますが、私の場合はただ自分がゴルフ好きで、ゴルフに真剣に取り組んでいる人と一緒にプレーしているだけですが(笑)。
クラブ購入はビジネスにおける投資
──ゴルフクラブはどのように選ばれていますか。
佐山 昔はクラブにもこだわっていたのですが、4年ほど前にパターが始動しない重度の「イップス」に陥ってから、気持ち的にゴルフに前向きになれない期間が長く続きました。
ちょうど改めて真面目にやらなければと感じていたときだったので、今回は新しいクラブを試せる絶好の機会だと思いました。
練習場ではかなり良い球が出ていたので、これは良いクラブだなと思いました。それでかえって力んだのか、ラウンド本番ではミスが出てしまいましたが、練習場での打感や球筋は最高でした。
ロフトや重さなどを自分がいつも使っているものに合わせると、またフィーリングが変わってさらに良くなる気がします。
 今年1月にクラブを新調しました。詳しい方に教えていただいたり、自分で調べたこともあり、クラブへの関心は今生涯でいちばん高いです。
今回使わせていただいたテーラーメイド「M3」「M4」シリーズは、予想以上に上手く打てました。いつもはスライスが出がちなのですが、その曲がり幅が抑えられていたように感じます。これは確実にテーラーメイドゴルフの高いテクノロジーの力だと思います(笑)。
設備投資すると回収しようという気持ちになるのは、仕事と同じ(笑)。クラブを新調してからは圧倒的にゴルフに対するモチベーションが上がりました。
佐山 確かに、新しいクラブを買うと俄然やるきになりますよね。「ゴルフはビジネスの必須科目」と言い続けてますが、今ゴルフをしてない人も、ぜひゴルフに挑戦してその楽しみやビジネス上のメリットをどんどん知ってほしいと思います。
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撮影協力:成田ゴルフ倶楽部 関東屈指の名コースで、設計は川田太三氏。成田空港から近く、都心からのアクセスもいい。昨年は米国のシニアツアーであるチャンピオンズツアーの会場にもなっている。http://www.narita-gc.jp/
(執筆:出島正登 撮影:今井暖 編集:EditReal、久川桃子 デザイン:九喜洋介)