同僚の評価は客観的か? 匿名による人事評価の問題点

2018/5/6

同僚による評価は客観的ではない

Q 私の会社では年次評価の際、社員が同僚を評価するピアレビューが匿名で行われます。同僚の意見が人事評価に反映されるのです。

私はほとんどの場合、非常に肯定的な評価をもらいますが、ときには批判的なものもあります。それらはたいていありきたりなことなので、役に立ちません。

そして、外見上は私を支持してくれていても実際にはネガティブな感情を抱いているのはどの同僚なのだろうと思ってしまいます。

上司はかつて、同僚から私への個人的で辛辣(しんらつ)な批判について、「事実でないことは分かっている」と言いながらも、私の評価にそれを取り入れました。

この制度についてどう思いますか?

──アン
(写真:iStock/oneinchpunch)
A 年次評価では、的外れの評価から実現不可能に思える意見まで、あらゆる苦情が上がる。近年では、この慣習をなくすべきだとか、別の方法に替えるべきだと主張する人もいる。
そのうちのひとり、カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン・スクール・オブ・マネジメントのサミュエル・カルバート教授は、匿名性が年次評価の欠陥を増幅させると言う。
評価は客観的にみえるが、実際にはかなり主観的で、何よりも日々繰り広げられる社内の政治的駆け引きによって決定されると、カルバート教授は指摘する。