特別養子縁組からみえる社会問題

2018/3/14
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
14日は、一般社団法人リディラバ 代表安部 敏樹(あべ・としき)さんが出演。
安部さんは、「社会の無関心の打破」をモットーに、現場に根ざして社会の様々な課題を深堀していく「リディラバジャーナル」の編集長として活躍中。今日は「『すべてがハッピー』ではない。特別養子縁組によって家族が新たに誕生する瞬間」(リディラバジャーナル)を題材に、特別養子の現状についてお話いただきました。
POINT 1:
問題提起の背景
記事では特別養子縁組について、実際に養子を授かった養親(養子を家族として迎える親)に経緯や想い、考えを取材し紹介している。
「リディラバは社会問題を多くの人に理解してもらい、どうやって良い環境を作れるかを現場で体験し考えてもらうことを目的として活動しています。また、社会問題の背景を伝えていくためにリディラバジャーナルというメディアを運営しています。
活動を通じて児童相談所や児童養護施設で親御さんが何らかの理由で子どもを預かってもらう現状を見てきました。今の仕組みでは支えきれない部分が多いと感じる中、国も法律を変えていく流れがあるので、ぜひ記事から現状を知ってもらいたいです」(安部さん)
POINT 2:
特別養子縁組が進まない理由
「養子というと多くの人は、家制度を守るための養子をイメージすると思います。しかし、特別養子縁組は産みの親が何らかの事情で育てられない場合に、別の養親さんに引き取ってもらい、親権を移して育てていくことです。
今は特別養子縁組は年に500件程度ですが、児童養護施設に預けられた子どもは約5万人です。この規模では家庭養育ができているとは言えないですよね。国も児童養護施設も、特別養子縁組を増やすことで一人でも多くの子どもが家庭での養育をできるよう動いていますが、あまり進んでいないのが現状です。
進まない理由はいくつかあります。養親側が子どもの性別や年齢などを希望してマッチングできないこと、養親になる際に子どもを育てる環境が整っているか確認するための時間を年単位で要することなど、です」(安部さん)
POINT 3:
社会全体で理解すべき課題
「今は社会の理解が追いついていないので、特別養子に関わる人だけでなく、社会全体で理解すべきだと思います。
今、不妊治療をしている人たちは多いですよね。だいたい45歳くらいで不妊治療をやめて、特別養子縁組に転換するケースが多いのですが、特別養子縁組ができる年齢が50歳までと制限があるため、間に合わない場合も多くあります。
また、結婚している夫婦でないと養子縁組ができないのでLGBTの同性カップルは養子を持つことができません。
私は、きちんと育てられる環境があると認められれば養子を持つことができ、もっと色んなパターンの家族があっていいのではないかと思います」(安部さん)
今回のニュースをはじめとした安部さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
3月15日は、ディグラム・ラボ 代表の木原 誠太郎さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください