将来必要なスキルから「逆算」する、ロシアの戦略的教育
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ロシアは猛烈に教育熱心な国。そして概念を作るのもうまい。ただ、実装が苦手です。
果たしてこういう先進的な教育概念をどこまで教育現場に実装できるのかが焦点であろうと思います。多分、将来必要なスキルを逆算するのは本当に難しいのではないかと思います。
最近、東ロボくんプロジェクトで有名な新井紀子先生の
『AI-vs-教科書が読めない子どもたち』という本(https://www.amazon.co.jp/AI-vs-教科書が読めない子どもたち-新井-紀子/dp/4492762396)を読んだのですが、この本ではAIがどこまでできて、どこからできないのかが理由とともに示唆されていました(この本は本当にオススメです)。
結論を言うと、AIは数学的に処理している以上、数学で表現できないことには対応できないとのことでした。数学の表現とは、論理・確率・統計の3つを指します。
論理は三段論法のような厳密な論理を指しますが、現実社会は論理では厳密には記述できません。また確率はすべての事象が等しく起こる(CGのサイコロを振るような場合)なら予測に使えますが、そうでない場合(葉っぱがどこに落ちるかの予測のような場合)は使えません。この場合は統計を使いますが、データセットが十分とは限りませんし、誤差もあります。
つまり未来に起こることの予測は、理論的に考えて、論理・確率・統計のどれも不十分だということになります。にも関わらず、この会議では未来を予測しようとしているのですから、凄まじいチャレンジですね。
で、ここからはイチ教育者視点です。
教育の目的は「未来を生き抜く人を育てる」とか「国をリードする人を育てる」という国家の思惑もあれば、「食っていけるようになる」とか「自己実現できるようになる」という個人の思惑もあると思います。予測不可能な社会においては、「将来こうなるからこんな人が必要になるのではないか」と無理やり予測して中央集権的に操ろうとするのではなく、「未来はどうなるか分からないけど、とりあえず今こんな事をやりたい」と考える個人、そして「今」を起点に、非中央集権的にそれぞれが自分の可能性を広げられる社会を目指すのもアリなんじゃないかと思います。未来は分からん、でもきっと好きな事を突き詰めればなんだかんだ生きていけるから、とにかく今を生きろという事です。楽観主義的かもしれませんが。
そうじゃないと、やれ英語だ、やれプログラミングだと、世間の流行に振り回される子ども達が本当にかわいそうだと思います。積み上げ方式短期視点での課題解決(先延ばし)が得意だと、ほころびが出た際の瓦解スピードが早い。
長期で次回はある未来を描くアプローチが必要な時期。