提携進むタクシーサービスの課題

2018/2/21
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
21日は、IDOM 執行役員北島 昇(きたじま・のぼる)さんが出演。
北島さんは、2007年に自動車の買取販売会社「ガリバーインターナショナル」に入社。社名変更により「IDOM(イドム)」となった現在は、執行役員として、新規事業担当として、事業改革に力を入れてらっしゃいます。今日は「第一交通と米ウーバーが提携へ、訪日客へスマホ配車」日経 xTECH)を題材にお話いただきました。
POINT 1:
「2次交通」に特化したサービス
タクシー大手の第一交通産業と米ウーバーテクノロジーズが、スマホを使った配車サービスで提携を検討している。訪日外国人が「Uber」アプリで第一交通のタクシーを呼べるサービスを、早ければ今春にも始める。
「この記事に、注目したポイントは2つあります。
1つ目は、インバウンド需要。オリンピックもあり、インバウンド需要がさらに高まりますよね。しかし、訪日外国人が地方などで観光地を訪れる際は、移動や決済の方法が分かりづらいため、スムーズな移動ができるサービスについて議論されてきました。飛行機で空港に到着した後の移動手段を『2次交通』と呼ぶのですが、この2次交通ニーズに特化してサービスを提供しています。
2つ目は、ライドシェアサービスから始めるのではなく、タクシー配車から始めること。見方によっては、白タクなどの無許可のタクシー自体を水際で止めるための打ち手ともとれます。新しいサービスを始めながらも、規制を守っていこうとする良い取り組みではないでしょうか」(北島さん)
POINT 2:
国を越えても使えるサービスに
「中国では、配車サービスが発達してるため、日本に来ると不便に感じることもあるようです」(サッシャ)
「Uberの強みは、アプリをどの国で起動してもそのまま使えることです。しかし、日本ではまだ国内でしか使えない仕組みのため、訪日外国人にとって不便な印象を抱いてしまいます。政府もタクシー会社も、今の状況には問題意識を持っていると思います」(北島さん)
POINT 3:
今後の議論で大切なことは?
「日本としては、今後どうするべきでしょう?」(サッシャさん)
「少し大きな話ですが、ユーザーにとって何が本当に幸せか、どんな課題を解決できるのか、解像度を上げる必要があるのではないでしょうか。
モビリティでニュースになる話題の多くは、ビジネスや国の規制など、マクロの視点での議論が中心です。しかし、例えば地方のローカル線やバスが廃線で通院できないお年寄りの存在のように、ユーザーに直接目を向けることも大切です」(北島さん)
「配車アプリやライドシェアも、インフラの話が中心です。インフラとあわせて実際に、どんなサービスがユーザーにとって良いのかを考えるべきだと思います。
中国では、新しいサービスがどんどん使われていますが、使ってみた体験からヒントを得て、さらに新たなサービスがつくられています。そういった流れを日本でももっと起こすべきではないでしょうか」(北島さん)
今回のニュースをはじめとした北島さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
2月22日は、Global Mobility Service 代表の中島 徳至さんが出演予定です。
こちらもお楽しみください。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください