分析:イラン反政府デモはなぜ起きたのか?
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途上国では銀行に預金してもその金が銀行のバックにいる政治家などに流用されて、預金がなくなってしまうということもしばしば起こります。だから、金を買ったり国外に口座や不動産を持とうとする人も多くなりますが、その国の発展のために使われる金は減ります。
この場合、革命防衛隊が流用したと考えられます。革命防衛隊自体とその傘下の民兵組織自体が巨大ですが、革命防衛隊はシーア派イランの地域覇権のためにレバノンのヒズブッラー、イラクの人民動員隊(PMU)に代表される軍事組織を外国で養成してきました。この二つの組織だけで合わせれば3百万人にはなるでしょう。軍隊は、存在するだけで金が出ていくばかりで、儲かりません。現在のようにシリアやイラクで何年も戦争を続けていればなおさらです。革命防衛隊は、膨大な金をイランから持ち出さねばならなかったでしょう。
革命防衛隊はイスラーム共和制を護持するための組織であり、革命防衛隊とその国際活動への批判は、イスラーム共和制そのものへの批判とならざるをえません。批判を避けるためには、革命防衛隊のあり方を抜本的に改める必要があります。それができるのは最高指導者だけです。
先日、最高指導者のアリー・ハーメネイーが、革命防衛隊の経済活動を大幅に縮小するように命じたと報じられました。もし本当に実現されれば、イラン独特の最高指導者への権力の集中がうまく機能して、ドラスティックな改革が為されることになります。
以下のワシントンポストの記事が、報じています。
https://www.washingtonpost.com/world/middle_east/iran-may-try-to-loosen-revolutionary-guards-grip-on-economy/2018/01/21/71802838-feac-11e7-86b9-8908743c79dd_story.html?tid=ss_tw&utm_term=.3dd80378be12