【日曜経済講座】中国台頭めぐる国際的リスク 対中「有志連合」日本主導に期待 中部大特任教授 細川昌彦
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注目のコメント
毎年ユーラシアグループから出されているリスクレポートですね。これに対抗してというわけではないですが、日本からも
「グローバル・リスク分析」2018年版 PHP総研
https://newspicks.com/news/2706484/
というものを毎年出しています。今年度版は私も執筆に加わらせて頂きました。ユーラシアに負けず劣らずの精度の高さ(むしろ2,3年前の晩に書いてあったことが今頃起きる)と、日本への影響に着目していることが特徴です。
ユーラシアグループは、イアン・ブレマーといういわばスター選手に依るところが大きいシンクタンクで、学生時代から一代でここまでの影響力を構築した事は偉業ですが、近年では研究員の高齢化もあり、その切れ味は年々衰えているようにも思います。一般的には「Gゼロ」という概念の提案者として知られていますが、個人的には、ブレマーのピークは、2011年に「自由市場の終焉」を書いた頃かなと。この本は、「国家資本主義」という言葉に新たな意味をつけ、市場取引のもたらすものと人間の感情の矛盾の広がりを感じさせる先駆的な着眼点に富むものだったなと思いました。
さて、今年のテーマは中国と国際秩序ということのようですが、これまでの国際秩序が米国のものだったとすれば、従来の国際秩序に中国を組み込むという発想は中国にはなくて、中国にとっての国際秩序とはあくまでも中国主導によるものになると思います。その意味では、日本がそれを「助ける」ということは基本的にできないものです。
テクノロジー系の話題が増えている事も興味深いですね。我々のレポートでも今年はEVに注目しました。
EV絡みの国際ルール作りとしては、例えば充電ステーションの規格競争がありますが、現在日欧中(+テスラ)という構図の中で日本が圧倒的主導権を持っていますが、次に日中連携という動きが出ています(元々日本と中国の規格は近い)。欧州の巻き返しは当然あると思いますが、こうしたビジネスの領域でのルールメイキング競争は、今後も重要になりますね。
日本も早くJIS規格などという競争力を削ぐ(JISに決まると規格競争が起きず、特許や著作権が取れない)だけのレガシーを早く廃止して欲しいものです。変な事件の様なものが起きるだけ。