金融から見る日本のエネルギー問題

2018/1/18
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
18日は、レノバCFOのAki Mori(あき・もり)さんが出演。
Moriさんは、大規模太陽光・バイオマス・風力・地熱などの再生可能エネルギー電源を開発する、レノバのCFOでいらっしゃいます。今回は「石油大手に『気候変動の対策費払』、ニューヨーク市が提訴」(MITテクノロジーレビュー)を題材に世界のエネルギー情勢と日本の現状についてお話いただきました。
NewsPicksとJ-WAVE「PICK ONE」のスペシャルトークイベントが、1月25(木)に開催されます。当日は公開収録も実施します。詳細はこちらよりご確認ください。
POINT 1:
石炭に注がれる厳しい目
石油会社に、気候変動の責任を問えるのか。ニューヨーク市は、BP、エクソン・モービル、シェブロンをはじめとする世界最大手5社の石油会社を相手取って「気候変動対策の費用負担」を求める訴訟を起こした
「産業革命以降、化石燃料がエネルギー源として使用され、大気中に二酸化炭素が放出されることで地球の温暖化が進みました。排出されたガスの3分の2は、今回の5社を筆頭とする石油会社100社に起因しており『石油会社に責任がある』というのがニューヨーク市の主張です」(Moriさん)
「化石燃料と呼ばれるもののなかには、いくつかの種類があります。物流や化学製品の原料として使用される石油は、たとえば自動車のEV化で減らすことができます。また、ガスは電力事業などで使われる燃料ですが、二酸化炭素の排出は比較的少なめです。
一番厳しく追及されているのが石炭です。石炭は価格が安く新興国でも活用しやすい燃料ですが、最も二酸化炭素を生みやすく、国際的に厳しい目が向けられています」(Moriさん)
POINT 2:
日本は「脱・石炭」できるのか?
「震災後の日本では、原子力の代わりに、石炭火力の発電所を稼働させているとも聞きます。ジレンマがありますね。」(サッシャさん)
「日本はこれまで、原子力や石炭、再生可能エネルギーなどをそれぞれバランスを取って使用しよう、としてきました。しかしながら、世界的にはここ数年で一気に『脱・石炭』の流れに傾きつつあります。たとえばイギリスでは、2025年までに石炭火力の撤廃を掲げるなど先進的です」(Moriさん)

「日本では電気をつくるために石炭を使用しており、石炭火力発電所を建設するための資金をメガバンクが融資してきました。
世界の金融機関がどのくらい石炭火力関連事業に融資しているが分かる、融資額ランキングがありますが、1位・2位・5位に日本の銀行がランクインしており、波紋が広がっています」(Moriさん)
POINT 3:
潮目の変化をビジネスチャンスに
「日本はクリーンエネルギー化をビジネスチャンスとして捉えていけるでしょうか?」(サッシャさん)
「ビジネスチャンスを捉えるためには、旧来の産業で働いていた人が新しい成長産業に移ったり、社会の仕組みを入れ替えたりといった変化が必要です。
世界の潮流を読みながら、上り坂の産業をしっかり見定め、そのエスカレーターに乗って頑張れば、日本もさらに成長できると期待しています」(Moriさん)
今回のニュースをはじめとしたMoriさんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
1月22日は、scouty 代表の島田 寛基さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください