金融から見る日本のエネルギー問題
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注目のコメント
2回目のラジオ出演して参りました。
ラジオというのは構成作家さんによる事前レク/アジェンダのすり合わせがあるのですけれども、前回の学びからナビゲーターのサッシャ氏はアジェンダ通りに進めて頂けないことが分かっていましたので、逆に普段の機関投資家QAのように相手の目を見てリラックスしてお話しすることができました。
さて、グローバルの脱炭素化のムーブメントは、私は不可逆なものだと思っています。すなわち、①国際的な取り組みレベルのパリ協定/SDGs、②各国・各地域レベルではイギリスの石炭火力ExitやEVの導入、そして私がアプローチする③金融機関・投資家といったCapital Marketsにおけるダイベストメント（＝石炭採掘・発電事業からの資金撤収）の推進、これらを総合してのビジネスの感覚からです。
メガバンクを中心とする日本の金融機関は、石炭融資でグローバルトップクラス（1位、2位、5位）を占めています。そしてその金融機関において、半年前と足元1-2ヶ月では状況が変わりつつある兆しが見えます。半年前は、曰くに「日本は政府のエネルギーミックス目標があるし、原発動かせないし、バランス考えると石炭も必要だよね」だったところ、足元では「脱石炭はパラダイムシフトかもしれないから、急速に変化しないといけないんじゃない？金融とはレピュテーション商売なのに、石炭融資世界トップクラスって、悪者扱いされるリスクは無視できたいんじゃない」というような感じで。まだニュアンスレベルですけれども。
一ビジネスマンの私としては、世界の潮流を魚の目のごとくよく読んで、しっかりと「上りのエスカレーター（のインダストリー）」に乗って、フォローの風を受けながら、日々仕事をしていきたいと思います。Aki Moriさん、2度目のご出演ありがとうございました。NY市のお話を皮切りに、世界と日本のクリーンエネルギー事情についてお話いただきました。
日本のメガバンクが石炭関連産業にそんなに融資している事実、恥ずかしながら知りませんでした。世界的にクリーンエネルギーへ移行していく流れは個人的にも賛成ですが、日本は少し乗り遅れている印象ですね。野菜の産地や生産者を選ぶのと同じように、エネルギーがどこから生まれているのか、改めて考えてみたいと思いました。勉強になりました。Akiさん、どうもありがとうございます！
日本が環境後進国という件に関して、自分は下記①が印象に残っています。「日本は環境先進国」というイメージをボンヤリ抱いていたので衝撃的でした。
①では、1990年と2014年の「1kw当たりのCO2排出量」「GDP当たりのCO2排出量」を比較していますが、他主要国（中国含む）が数値を下げているのに対し、日本は増加している事が分かります。
震災による「原子力から石炭へのシフト」が大きく影響していると考えられるため、数値の上昇に関しては納得できます。しかし、再生可能エネルギーの割合が想像以上に小さく、その割合がほとんど増加していないことはショックです。これではいくら電気自動車を日本で普及させても、環境への負荷はさほど変わらないということになりますね。
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将来的な日本の電源構成案に関しては下記②。再生エネルギー・石炭・LNG・原子力がそれぞれ約4分の1を占めて構成されています。
目を引いたのが原子力の数字。現在は数％と僅かですが、再稼働でこの数字を20％超まで戻していく計画ということなのでしょうね。この辺りは今後議論の的になりそうです。
またこの電源構成案は、欧州に比べると緩いと指摘されています。
下記③では、昨夏の発電供給の内52％を再生可能エネルギー等で賄った英国が取り上げられています。ESG投資でもSDGsでも欧州は先行していますが、欧州の環境政策は筋金入りです。
真山仁さんの著作『マグマ』で御室さんという方が「他の地域に比べ早く成熟社会を迎えた欧州は、環境との共生という”果たすべき責任”を自覚して生きている」という主旨のことを語られていましたが、改めて頷かされるお言葉です。
①環境後進国ニッポン（上）脱ＣＯ2、先頭から脱落
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21864180U7A001C1MM8000/
②2030年の電源構成案 原発は20％、再エネは22％
https://www.kankyo-business.jp/news/010422.php
③環境後進国ニッポン（中）石炭火力、不良資産の懸念
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21910410V01C17A0MM8000/
