[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米先物取引所運営大手CMEグループ<CME.O>は17日、仮想通貨ビットコイン先物の取引を開始した。期近の1月限<BTCF8>は2万0650ドルの初値を付けた後に下落し、その後は1万9480ドルで推移している。

1週間前に米CBOEグローバル・マーケッツがシカゴ・オプション取引所(CBOE)に上場したビットコイン先物は前日比7.7%高の1万9500ドルと、同様の水準となっている。

CMEが参照するビットコイン価格は1月限が1万9500ドル、2月限が1万9600ドル、3月限が1万9700ドル、6月限が1万9900ドル。参照価格を基に値幅制限が設定されている。

ビットスタンプ取引所の直近のスポット相場は1.9%安の1万8818.82ドル。

ブロックチェーン・キャピタルのパートナー、スペンサー・ボガート氏はCMEでの取引開始後、「新たな資産クラスなので投資家の多くは様子見にして、参加する前に市場動向を見極めたいようだ」と語った。

CBOEに前週上場したビットコイン先物は取引開始日に20%近く上昇し、取引高は4127枚だった。ただ、前週全体の取引高平均は1400枚にとどまった。これとは対照的に、CBOEのボラティリティー・インデックス(VIX)<.VIX>先物は通常、取引高が数万枚から10万枚以上に上ると市場関係者は話す。

アナリストらはビットコイン現物相場の不安定な動きについて懸念があるため、先物取引高の低下は見込まれていたと指摘した。

一部の投資家は、CME上場のビットコイン先物は複数の現物取引所のデータを基に清算値が決まるため、機関投資家の需要が増す可能性があるとみている。

CBOEの先物はウィンクルボス兄弟が運営するジェミニ取引所がオークションで決定するビットコイン価格に基づいて現金決済されている。

また、市場での慎重な見方はビットコイン先物の証拠金に反映されている。

CMEでの証拠金比率は35%で、CBOEでは40%となっている。アナリストらによると、S&P500先物の同比率は5%で、ビットコイン先物は不安定な値動きを反映して高く設定されている。

1人の先物トレーダーは、投資家が証券会社あるいは仲介業者に預けている証拠金は平均すると、取引所での証拠金の約2倍となっている。