ZOZO前澤「落札代理人」が語る、あの「バスキア事件」のこと

2017/12/19
2017年5月18日は、「アートの歴史」に残る1日になるかもしれない。
この日、世界で最も歴史のある美術品競売大手「サザビーズ」のオークションで、アメリカの現代美術家、ジャン=ミシェル・バスキアの肖像画「無題」が約123億円という高値で落札されたのだ。アメリカ人画家の作品としては史上最高記録である。
買ったのは、バスキアのコレクターとして知られている前澤友作氏。アパレル専門の通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの創業者だ。わずか10分間の歴史的なオークションは、動画「The Battle for Basquiat」にダイジェストされている。
そして、その前澤氏の「代理人」として実際にビッド(入札)していたのが、サザビーズの寺瀬由紀氏。新卒で有力投資銀行のモルガン・スタンレーに入社し、畑違いのアート業界に転身。香港を拠点に全世界を駆け回り、現代美術のマーケット拡大を仕掛けている人物だ。
「バスキア事件」を通じて、オークション会社の仕事から、近年の美術品の値上がりの背景、そして最近のアート業界のトレンドまでを、寺瀬氏にたっぷり聞いた。
寺瀬由紀(てらせ・ゆき)/サザビーズスペシャリスト
サザビーズ現代美術部門唯一の日本人スペシャリスト/ディレクター。 2011年サザビーズ入社。アジア地区トップコレクターのグローバルな現代美術取引を担当

バスキア、最高額落札の「10分間」