第9回:「神話」は書き継がれ、「憲法」は解釈され続ける──『スター・ウォーズによると世界は』池田純一書評連載
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行動経済学の研究者で,今年のノーベル経済学賞受賞のリチャード・セイラーと共著で「実践 行動経済学」 http://amzn.to/2zejvOp を発行したキャス・サンスティーンがスター・ウォーズ本を出した.しかも記事には指摘はないが,それを翻訳したのが,「21世紀の資本」など経済,思想に関する本を多数翻訳している山形浩生氏.興味深い.
記事に指摘があるが,一言で言えば,スター・ウォーズって,スカイウォーカー家の親子喧嘩話.
小説家の島田雅彦氏が指摘しているが,スター・ウォーズの基本プロットは「父殺し」.これは古代ギリシャの有名な悲劇「オイディプス王」で見られ,父と息子の対立をテーマにした話はギリシャ神話にも多く見られる.精神科医フロイトによると,父殺し(父を超えること)は,子供が大人になるための通過儀礼でああり,フロイトは「エディプス(オイディプス)コンプレックス」と名付けた.なるほど,スター・ウォーズ,父殺しの物語.スター・ウォーズには,息子ルークと父親アナキン,息子カイロ・レンと父親ハン・ソロの関係に加え,弟子アナキンと師匠オビワンの親子対立に等しい子弟対立も描かれている.
他にもジョージ・ルーカスがギリシャ神話に由来するプロットを意識しているのは間違いない.記事にある「千の顔をもつ英雄」も良く知られている.