【ノート術】「普段着ノート」と「よそいきノート」の使い分け

2017/12/6

「普段着ノート」と「よそいきノート」

ノートをとることは、手段であり、目的ではありません。にも関わらず、僕はノートに時間をかけるようにしています。
筆者のノート。ノートは「ロイヒトトゥルム1917」
もちろん、四六時中こんな風に丁寧にノートを書いていたら、時間がかかって仕方がありません。手段が目的化していると、思われることでしょう。
僕もいつでもこのように書いているわけではありません。数日に一度、時間をかけられる時に限ってこの書き方をします。
このノートを書く時は、他の人に見せられるものをイメージして書きます。言うなれば「よそいきノート」です。
それに対して、ちょっとした思いつきや日々の仕事で考えることは、殴り書きですませてしまいます。こちらは字が汚くて中身が見せられないレベルで、主にロールバーンのノートを使っています。
これが「普段着ノート」になります。「普段着ノート」は、とにかく時間をかけずに、思いつくままに書きます。その中身は、多くの人が日常的に使うノートとさほど変わらないと思います。
そこで本記事では、もうひとつの「よそいきノート」について、なぜこんなことをするのか、お話しします。

「よそいきノート」の役割

ノートを丁寧に書くのは、面倒なことでもあります。それでも行うのには、3つ得られることがあるからです。
(1)抽象化のトレーニング
インプットを何かに活かすために必要なことのひとつが「情報の構造化」です。論理的な理解をしておけば、仕組みや構造を他のアイデアに組み込めます。
ですが、構造化をできる人は多いため、それだけでは差別化できません。そこでもう一つ意識したいのが「情報の抽象化」です。インプットに対する直感的な理解を行うものです。
構造化から出てくる答えは、従来の枠組みに囚われたものになりがちです。
抽象化はスパイスとして使います。口では簡単に言えますが、抽象化の方法は一般的な教育機関で教えてくれるものではありません。日々、習得していくしかないものです。
そのトレーニングを意識的に行うために、ノートに向き合っています。図やイラストも混ぜながら、様々なトピックを見開きにまとめていきます。
自分なりに今日の新聞をつくるようなイメージです。テキストだけではなく、図やイラストも混ぜることで情報の構造化と抽象化を同時に行います。
(2)左脳・右脳のコンディショニング
「構造化」と「抽象化」の話と関連しますが、このノートを書くプロセスを通じて、左脳と右脳を行ったり来たりさせながら、両方を使います。
この行ったり来たりを繰り返しているうちに、だんだんと論理と直感をコントロールできるようになっていきます。そうしたらしめたもので、自分が理屈っぽくなり過ぎていると感じたら、ノートに書く内容の抽象度を意図的に高めて、右脳パワーを回復させます。
一方で、とりとめもないことを感覚でしゃべり過ぎている時期には、構造的な書き方を増やして左脳パワーを回復するように努めます。
凝ったノートを書く行為を通じて、左脳と右脳のコンディションを整え、ベストな状態をつくります。
(3)独創性のアップデート
「ノート&メモ術」特集では、それぞれのインタビューで独自のノートの使い方が登場しました。
【前田裕二】業界一のメモ魔「メモとはノウハウではなく姿勢だ」
【小西利行】三角メモ、記号、イラストで思考を活性化、問題解決
創意工夫を試しながら、自分の形をつくっていけるのもノートの魅力です。僕の「よそいきノート」もその一つで、続けることによって、自分のオリジナリティが強化されていくと考えています。
出来合いのツールではなく、自分で使い勝手を開拓していくプロセスは、サービスやアプリを開発するのと似ているかもしれません。
僕がノートに時間をかける理由は以上になります。

プレゼントのお知らせ

最後にプレゼントのお知らせです。
ノートの使い方は人それぞれ。図やイラストを使うのはあくまで僕のやり方です。「ノート&メモ術」特集を参考に、みなさんなりのノート術を開発頂ければと思っています。
「NewsPicks × ロイヒトトゥルム1917」限定ノート
ドイツの老舗文具メーカー「ロイヒトトゥルム社」製ノートに、NewsPicksロゴを刻印した限定アイテムを用意しました。
今回、このノートを、プレミアム会員・アカデミア会員のみなさま限定で、アンケートに回答頂いた方の中から抽選で1000名様にプレゼントいたします。
たくさんのご応募ありがとうございました。プレゼント受付は終了しました。配送をもって当選の連絡とさせて頂きます。(配送時期は12月下旬〜1月上旬を予定)

プレゼントへの応募方法

記事下の応募フォームよりお申し込みください。