[東京 14日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>が14日発表した2017年4―9月期の連結当期利益は前年同期比27.8%増の6269億円となった。通期の当期利益予想9500億円に対する進捗率は66%となったが、会見した平野信行社長は「一時的な利益に依存したもので、実態は厳しい」との認識を示した。

連結ベースの業務粗利益は、同2%増の2兆0081億円、業務純益は同3.4%減の7007億円となった。マイナス金利の影響で国内貸出を中心に資金利益が減少する一方、海外の貸出ビジネスや市場部門による国債売買に支えられ粗利ベースは微増した。ただ、海外を中心に経費が膨らみ、業務純益は微減となった。

与信関係費用は、前年同期よりも607億円改善し31億円の戻り益となったほか、株式損益も同109億円プラスの550億円の利益、加えて信託銀行が出資していた海外子会社の再編で486億円の利益が計上されるなどし、最終利益を大幅に押し上げた。

平野社長は「業務純益は2年連続の減少で、厳しい」と総括した。5月に発表した三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行の法人融資の統合など「現役トレンドに歯止めをかける構造改革が必須」と強調。「銀行のトップラインがこれほど厳しく低下している国は日本以外はない」と述べ、「取り組むべきは未来志向の構造改革」とした。

同社はまた、2億株(発行済み株式総数の1.5%)、1000億円を上限に自己株式の取得を決議したと発表した。取得期間は、11月15日から12月31日まで。取得した自己株式の全株式は2018年1月22日付で消却する予定。

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