長時間労働が減っているのに過労死が注目される意外な理由 - 本川裕の社会実情データ・エッセイ
コメント
注目のコメント
このデータはISSP国際調査が出所らしいですが、労働政策研究・研修機構の調査によると、日本の就業者の総労働時間は米国やニュージーランド、イタリアよりも低いんですよね。
つまり、平均としての総労働時間は低いのに長時間労働比率は高いということ。これは働く時間の格差が生まれているということかもしれない。長時間働く人はとことん働くという。
大事なのは、時間ではなくその中身であって、働き方改革を時間短縮としてしか考えられない人たちはとりあえず退場願いたい。現場職の人間の労働時間は確実に減っており、それが統計上労働時間の減少として現われている。逆に(現場の負担が減っているためかどうかは一概には言えないと思いますが)管理部門(特に中間管理職)のストレスが大きくなっている≒業績のプレッシャーがきつくなっている、ため統計上ストレスが強くなっていると思います。
アングロプロテスタント系の国は、もともと管理職は、労働時間もストレスも強いため、それが同じように伸びるところであったが、非アングロ系の国は、現場はきついが管理部門はそうでも無かったという傾向があったのかもしれません。日本は現場も管理部門も同じように長時間労働をしており同じようなストレス下におかれていたが、法的な規制の強化で、現場部門の労働時間の削減が進められた。その一方管理部門の労働時間もストレスも減少せず、統計上には記事のような状況になって表れていると見ています。日本のブラック労働は、現場のブラック労働の人手不足ということで、労働人口の減少とともにどんどん少なくなり、その代わりに管理部門(必ずしも管理職だけとは限らない)がより増加するというブラック化が進行しているかと思います。