アットコスメ「交流させないコミュニティ」が持つ真の威力
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注目のコメント
「コミュニティとコミュニケーションを混同してはいけない」
取材中に一番ハッとさせられた言葉です。
コミュニティ連載の最後に大どんでん返しとも言える「交流させない」コミュニティを取り上げたのはそれぞれ議論がわかれるところではあると思いますが、よく見てみると一昨日公開した無印良品のIDEA PARKも交流しやすさをメインにした設計にはなっていません。さらに無印の話をすると、オフ会の場を作っても意外と集まらないものだそうで、交流がしたくて集まっているわけではないのかもしれない、とおっしゃっていたのを聞いた上でこのアットコスメさんの取材をさせていただき、自分の中でストンと腑に落ちる感覚がありました。
「コミュニティ」にも様々な目的があります。コミュニケーションを軸にし、人が安心して過ごせる場所もひとつのコミュニティとしてのあり方です。
しかし、全員がコミュニケーションを求めてコミュニティに入っているわけではなく、そうした人々に無理にコミュニケーションすることを求めるのは酷なものですし、吉松社長の言葉にもあるとおりコミュニティが疲弊する原因にもなります。
これは以前、佐々木俊尚も焚き火用語の「おき火」を使って説明されていましたが、薪をどんどんくべるのは素人のやることで、プロはじっくり長く続くけるために火力の調整をします。
私も「加熱させすぎてはいけない」という話をよくしますが、コミュニケーションに頼りすぎると危険という認識はコミュニティビジネスにおいて重要なことだと思います。
多くの企業がコミュニティビジネスに手をだしたい理由は「サービスやプロダクトへの粘着度を高めたい」という理由が大きいものですが、コミュニケーションが本当にコミュニティに求められているものなのか?ユーザーが集まり、安心できる場所はコミュニケーションによってしか確立できないものなのか?
連載最終回のこの記事で、そもそも「コミュニティ」を何のためにやるのかという疑問を提示できていれば幸いです。連載最後で解釈が難しい内容。「好きで集まっている」という意味ではコミュニティっぽいが、果たしてユーザー同士が交流しないコミュニティは、コミュニティと呼べるのか。
商品に対する口コミはかくが、ユーザー同士をコミュニケーションさせないというのは、コメントにコメントができないNPの設計思想にも通じるものがありますね。NPの場合はオフ会などのリアルイベントを通じてコミュニケーションさせてますが、ネットと比べるとリアルは問題が起きにくい、というあたりもうまく作用してますねなるほど、コミュニティ的な、ユーザー同士の交流はあえて入れない、その理由は「短期間で疲弊させないため」。どちらかというと、アットコスメはコメントプラットフォームとして、投稿された情報をいかにメーカー側が活用できるかという点に注力なさっているのかな? 目的や、集まっているユーザーの傾向に合わせて設計する大切さが分かる記事でした。最所あさみさん、ありがとうございます!
同様のサービスで、私はLVMHグループがやっているSephoraをよく見ますが、こちらはかなりガッツリしたコミュニティづくりをやっています。オンラインでは、商品へのクチコミ投稿のほか、「自分史上最高のアイメイクって?」などやりとりできる掲示板が活発です。会員はユーザーランクに合わせて会員カードが届き(これが結構うれしい)誕生日プレゼントがもらえたり、限定リアルイベントに参加できます。
https://www.sephora.com/community
サービスの一部で、Lithiumというコミュニティツールを使っていますが、コミュニティ内でやりとりする人は、そうでない人に比べてお買い物する支出額が10倍になるとのこと。美容好きの濃ゆい人が集まっていることを伺わせる数字でした。
https://www.lithium.com/customer-success/sephora