東芝メモリ、日米韓連合へ売却契約 日本勢で過半の議決権
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注目のコメント
とりあえず、一歩前進。
綱川さん等経営陣と、経産省など関係者にはお疲れ様ちはいいたいが、WDも十分な対応が必要。債務超過はないが、まだ大変ではある。これから、いい話も、悪い話もでてくる。まだまだスキームが中途半端で、ベインは過半数なくても良いのかとか、アップルは議決権取ると利益相反するので、このやり方が良いと思いますが、一番気になっているのは、東芝が信託すると思われる指図権です。
WDとの訴訟リスクを踏まえた上での、やむを得ないスキームと思われます。
引用
東芝が持つ議決権の行使に関する権利を、TMCへの将来的な資本参加を検討する産業革新機構と日本政策投資銀行に付与する。東芝からIRリリース出ましたね。
「日米韓連合」に売却する契約を結んだと発表。
【東芝のIRリリース】
http://bit.ly/2wmeZsX
上記リリース内容に「少なくとも10年間ファイアウォールの設置により、SKハイニックス社が東芝メモリ社の(ネットワーク上での)機密情報へのアクセスを制限する」とありますが、人間を介したらオンライン/オフライン問わず、いくらでも筒抜けになるリスクはあると思われます。
あらためて、ポイントは下記でしょうか。
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1. WD社が仕掛ける売却差し止め訴訟の行方
→裁定が出るまで1~2年かかりそう。WD社の主張が認められたら売却手続きが済んだ後でも売却無効の判断がありえる。
【参考記事:WD、東芝メモリ売却で再び法的対抗策 差し止め仮処分申請へ】
http://bit.ly/2wY2JyA
【参考記事:米WD、東芝のメモリー新棟投資差し止めを国際仲裁裁に申し立て】
http://bit.ly/2wWywoh
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2. 各国の独禁法に抵触する可能性とその審査時間
→日米韓連合に「SKハイニックス社(NANDメモリ業界5位)」が含まれているため、各国の独禁法審査に時間がかかる。特に中国での審査は6ヶ月もしくはそれ以上はかかると思われる。故に、上場廃止への覚悟はいずれにしても必要。
【参考記事:東芝の債務超過解消「1日遅れようが、上場廃止」−日本取引所グループCEO】
http://bit.ly/2xN09iN
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3. 東芝が「半導体事業への経営権関与の維持」を貫いたことによる各種想定デメリット
・今後、「東芝の経営健全性」が「半導体事業の事業競争力強化」よりも優先される→東芝メモリ社の競争力低減=半導体事業価値低下
・上記の中、今後銀行団は「攻めの融資」に応じてくれない→デットファイナンス執行力低下
・新株主(ベイン連合)の意向/判断に戦々恐々としながら各種決断が必要→半導体事業における意思決定の英断力低下
・結果、フットワークが重すぎる大企業体質での経営継続→東芝の中長期的株式価値の低下と従業員満足度の低下
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特に東芝が上記「1.」の大きなリスクを取ってまで「半導体事業への経営権関与の維持」に拘ったことが仇にならないと良いのですが。。
今後のWD社のアクションとセットで見守りましょう。