アフガンに米軍3千人増派 膠着打開狙いトランプ政権
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部隊の撤退に当たって一時的に兵力を増強し、治安を確保することで撤退後に予想される戦力の空白を埋める戦略をサージ戦略と言います。
有名なのは、イラク戦争末期にブッシュ政権が行なった交番作戦で、このときは空母2隻、陸軍5個師団、海兵隊2個大隊を始め約3万人が増派されました。
この効果はてきめんで、当時勢力を急拡大していたテロ組織、「イラクの聖戦アルカイダ機構(現在のISの前身)」に大打撃を与え、イラクの治安を一時的に回復させることに成功します。
以来一度壊滅したイラクの聖戦アルカイダ機構が、シリアで勢力を回復しISとして戻って来るまで、ある程度の平静が保たれることになり、米軍は無事イラクからの撤退を果たすことができました。
このように増派が悪いわけではないのですが、ただ、アフガニスタンの場合は状況が若干異なります。
2015年に全土の70%を抑えていた政府軍の支配領域は、この1年余のタリバンの攻勢で50%余に減少。
34州のうち6州はすでにタリバンの手に落ち、政府軍の弱体化が進んでいます。
事ここに至ればたった3000人程度を増派したところで済む話ではないのです。
アフガニスタン戦争は、既にベトナム戦争を抜いてアメリカが戦った史上最長の戦争になっています。
戦力の逐次投入という最悪の作戦で、アフガニスタンの撤退時期を見誤って戦況を泥沼化させたオバマ政権を批判していたトランプ政権も、どうやらアフガニスタンについては同じ穴の狢になりつつあるような気がします。うーん。。。。まあ、めちゃくちゃにしたのだから、その後始末に責任を持つ、というのであれば評価できるかと思います。ただ、米軍の増派は決して、アフガニスタンでも中東地域でも問題解決にならない。どちらかというと、混乱の長期化を招くことになるのだろうと考える。
それに加え、今、朝鮮半島情勢が緊迫化する中、アフガニスタンに兵力を割く余裕はどこにあるのだろうか。。。