根深い「保活」の情報格差。「待機児童」は減らせるのか

2017/9/21
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
21日は、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤 啓さんが出演。工藤さんは「すべての子ども・若者が将来に希望を持てる社会を創りたい」をビジョンとして、若者と社会をつなぐ活動をしています。現在40歳で4人の男の子の父親でもあります。
今日は、「保活で見えた情報格差」(NHKニュース)を題材に、待機児童の問題や、保活(親が子どもを保育園に入れるための活動)の現状について解説いただきました。
POINT 1:
「待機児童」が問題となっているように、いま多くの子どもが保育園に入れない現状があるが、子どもを育てている親は「どうすれば自分の子どもが保育園に入れるか」を必死で知ろうとしている。
ただ、すべての自治体のホームページにその詳細が書いているわけではなく、自治体による情報公開格差も大きい。
情報公開されていない自治体では、役所に何度も赴いて情報収集することが必要で、親はどんどん消耗してしまう。
そういう自治体では「保活」の情報を得られる人と得られない人の中での情報格差もどんどん広がってしまう。
(注)保育園は、親(保護者)からの申し込みにより、親が働いている、病気の状態にある等の理由により家庭において十分に子どもを保育できない場合に、家庭に替わって子ども(0~5歳の乳児および幼児)を保育(養護と教育が一体となった保育)するため、児童福祉法に位置付けられた「児童福祉施設」。
親の申し込みにより、原則として誰でも利用できる幼稚園とは違い、保育園は親の就労など利用するにはある程度の条件や優先順位が設けられている。
POINT 2:

保育園に入るためにはポイント制を取っている自治体が多いが、その判断基準がブラックボックスになっているところもある。
シングルペアレントや生活保護を受けている人のように、社会全体で支えていかないといけない人は大きなポイントが振り分けられ、子供を保育園に入れやすいが、よくある「夫婦ともに正社員でフルタイム勤務」の場合でも家庭によって当落が分かれるケースはよくある。
当落ラインに至る条件など詳細を公開している自治体もあるし、直接聞きに行かないとわからない自治体もある。
「この保育園の入園基準について、全国的に同じような統一ルールでできないのでしょうか」(サッシャさん)
「ルール化は出来るとは思いますが、最後の判断をどうするかなど、運用面でのコストは大きいままだと思います」(工藤さん)
POINT 3:

「でも、本質は待機児童問題の解決ですよね。そのためには我々はどうすればいいでしょうか」(サッシャさん)
「行政の窓口に文句を言う気持ちはわかりますが、誰が行政を動かしているかを考えるのは大事です。そう考えると、やっぱり行政に働きかけていく必要があります」(工藤さん)
「具体的には、市や区のホームページにパブリックコメントを投稿したり、市議会議員のような政治家に話を聞いてもらうことも大事です。そうすれば、市税の使い方に反映されるはずですし、とにかく声をあげていくことが大事だと思います」(工藤さん)
今回のニュースをはじめとした工藤さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
25日は日本マイクロソフトの西脇資哲さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください