[東京 11日 ロイター] - 日本航空<9201.T>は11日、旅行口コミサイト大手のトリップアドバイザー<TRIP.O>と訪日外国人の国内旅行需要を喚起する取り組みで提携すると発表した。日本の地方の魅力を伝える特集サイトを共同で開設し、日航は訪日客による国内線利用の促進を狙う。

日航の植木義晴社長は同日の会見で、「まだまだ海外向けの情報発信が不十分」だったとし、「日本に興味がない人にも発信できる」とトリップアドバイザーとの連携に期待を寄せた。

10月中旬以降、トリップアドバイザーのサイト上に日本の特集ページを立ち上げ、まずは東北や九州、沖縄などに関連した映像を中心に展開する。英語や中国語、タイ語など多言語に対応する。

日航の国際線利用客の外国人比率は約4割だが、国内線の利用は約2%にとどまっている。同社の二宮秀生常務は、東京五輪が開かれる2020年までには「倍(の4%)にしたい」と述べ、「増収も2桁億円を狙いたい」と語った。また、日航のサイトに海外から訪れたユーザー数は現在月間100万人で、新設するサイトにはこの10倍の1000万人を目指すという。

トリップアドバイザーは49カ国・地域でサイトを展開し、月間来訪者数は約4億1500万人に上る世界最大の旅行情報サイト。同社によると、日本関連ページの閲覧者は過去4年間に毎年平均3割増加しているが、閲覧先は東京や大阪、京都などの主要都市に偏っている。このため、新たに立ち上げる特集サイトでまだ外国人にあまり知られていない地域や都市などに焦点を当て、訪日客の国内線需要を喚起する。

(白木真紀)