ブロックチェーンとBitcoinにまつわる6つの通説を覆す
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ブロックチェーンについて、特に技術サイドから見た時の通説と実際の状況についての解説。こういう平易な解説、あまり見た記憶はなく、助かるし勉強になる。
コンピュータの歴史を振り返ると、分散と集合の繰り返し。コストや、途中の通信、セキュリティ(個人にとってのセキュリティ、企業など全体にとってのセキュリティ)によって、メリットデメリットは変わり、それに応じた変化だった。興味深い。
ブロックチェーンの法的性質や紛争(準拠法、法律行為、差押え可能性など)については言及してない。
筆者は、「ブロックチェーンの発明はインターネットの発明に匹敵するほど重要だ、と誰かに言われたら、眉に唾をつけて聞くように」といい、通説を否定する。
通説1:ブロックチェーンは巨大な分散型コンピューター
膨大な数のコンピューターが、同じルールに従って同じ取引を検証し、同じ演算を実行する。並行処理、共同作業、相互支援などというものは一切なく、瞬時に数百万の複製が行われるだけで、効率とは正反対。
通説2:ブロックチェーンは永続的。ブロックチェーンに記録された内容は永遠にそこに残る
ハードディスク容量の拡大スピードが遅くブロックチェーンの寿命は10年に制限されている。ダウンロードと検証の処理が完了するまで2、3日かかることがある。
通説3:ブロックチェーンは極めて有効で拡張性にも優れている。従来型の通貨はやがて消えてなくなるだろう
Bitcoinネットワークは、1秒あたり最大7件の取引しか処理ができず、10分に1回しか記録されず、新しい取引が記録されてから50分以上待つ。従来型のバンキング技術は拡張性に優れている。お金がいずれ消えてなくなるとしても、ブロックチェーンのソリューションのせいではない。
通説4:マイナーの存在がネットワークセキュリティを担保する
マイナーやマイニングファームは、10分間、大量の電力を無駄遣いして「計算」している。マイニング以外にほとんど使い道のない、特別仕様の高額な機器の費用もかかる。計算能力の過半数を管理する人は取引履歴を改竄可能で、二重送金が可能になる。従来型の決済システムは、このような攻撃を受けにくくなっている。
通説その5:ブロックチェーンは中央管理システムがないため破壊できない
「個人」のマイナーはすべて、プール(「カルテル」)に組み込まれている。マイナーはプールに参加するしかない。全計算能力の50%以上が上位4グループに集中している。事態は深刻で、マイニングプールと計算能力の大半が、特定の国(中国)に集中している。一国の中に位置していれば、計算能力を掌握してBitcoinを乗っ取ることは格段にやりやすくなる。
通説6:ブロックチェーンの匿名性とオープン性は良いことである
取引履歴が丸見えになる。「Bitcoinの弱点を今回の記事で初めて知った。これまで他の人から聞かなかったのはなぜだろう?誰もこの問題に気づいていないなどということが、あり得るだろうか?」の問いに対する返答として「Bitcoinを購入した人の多くがBitcoinの良さを宣伝して広めようとしている(ネズミ講のように)理由は、一考に値します。交換レートが上がると当て込んでいるときに、わざわざ良くない面を人に教える必要があるでしょうか?」というのはたしかに秀逸ですね。
こういうところは仕手筋が提灯買いを意図的に誘って売り逃げるのと同様。提灯買いに乗せられたほうは高値掴みして痛い目を遭うのが常。あくまでも投資は自分の責任と判断でするものですから、Bitcoinに限らずこれからも上がると思えば買い、下がると思えば売れば良いだけのことですが、余計なお世話ながらどうしても言いたくなってしまうのはわからないものには投資しないに限るということです。