米べイン、東芝に新提案。独禁法審査中でも今期中に買収費支払い
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アセット(メモリ)の魅力が高く、その結果売り手(東芝)の交渉力が高まったため、買い手候補からクリエイティブな提案が出状される活気あるオークションになっています
これは東芝経営陣の芯が試されてるオファーですね。。
「独禁法審査中でも今期中に買収費支払い」ということが一見魅力的なオファーに見える気がしますが、これは毒入りまんじゅうですね。。
結局、合同生産パートナーのWD社が「合弁契約の重大な違反」だと再度騒ぎ出したら大変やっかいです。「国際仲裁裁判所」への手続きを進められたら(売却差し止めの)審理開始となりますが、裁定が出るまで1~2年くらいの長期戦になる様相。もしWD社の主張が認められたら売却手続きが済んだ後でも売却無効の判断がありえます。さすがにこのリスクは取れないでしょう。
もはや、WD社の訴訟差し止め保障がセットにならないディール案に安易に食らいつくのは良策ではありません。
銀行団の立場から考えると、東芝の経営そのものが揺らぎかねない(=上記、WD社の訴訟の中で東芝メモリ社の売却無効が事後判断されたらタダではすまない)という意味では、やはり「すみやかにWD社連合への売却判断を」というプレッシャーをかけるのでは、と思います。
とはいえ、いずれにせよ決めるのは経営陣なので判断を待つしかないのですが。期末越えのためのディール案、東芝メディカルを思い出す…
まず、東芝メディカルのときはSPCを挟んで利益計上(=利益剰余金が増加するので債務超過回避につながる)して、その後にキヤノンに権利移転をするスキームだった。
https://newspicks.com/news/1451805
でもそのスキームは、その後公取委が今後は禁止するという形になっている。
https://newspicks.com/news/1640197
今回はSPCをはさみ、SPCの権利を2段階で移転するという形。そのためには、独禁法審査もBainが引き受ける段階で必要なように思い(Bainのほかの投資先について知らないが)、2回いると思う。
おまけに2段階で買収することが前提のスキームで、1段階目の独禁法審査が簡単に通るのだろうか?
また、記事で触れられているようにWDの訴訟もあり、これはどんなスキームでも東芝からの権利移転を伴うときには避けられない論点。
独禁法審査が終わっていなければ売却(権利移転)は完了しない。資金を払ったとしてもDoneしていなければ、それは契約金のような形での入金。BSでは資産サイドが現金、前受金のような形で債務にのって、債務超過という論点に関しては独禁法審査が終わるまでは解決策にならない。