米ヒューストンが大洪水で孤立、トランプ大統領も現地入りへ
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ハリケーンを流してくれる上空の風がまったく吹いていないため、上陸によりハリケーンが弱まったものの、そのまま同じ地域に低気圧として停滞してしまっている状況です。
今週中はハリケーンから変わった低気圧が引き続きテキサス州東部に居座る見込みで、今後も大雨が続く可能性があります。すでに観測雨量は多いところで600mmとのことですが、米国の数値演算ではさらに500mm以上の降水量となる可能性が示されており、さらなる洪水被害の拡大が懸念されます。
特にテキサスといえばアメリカを代表する工業地帯で、多くの製油所がならんでいますが、石油製品価格が不安定になるのではと心配です。2005年のハリケーン・カトリーナの当時のブッシュ大統領のように、トランプ大統領の危機管理能力が問われる局面となりそうです。テキサス州を襲っているカテゴリー4(1分間の最大風速59 - 69m/sで、5段階中の4)のハリケーン「ハービー」は、トランプ政権が最初に直面する大規模災害で、その緊急対応能力が問われます。来月期限が切れる政府の洪水保険を議会で再承認を行う必要があります。
風よりも雨と洪水の被害が大きく、ヒューストンなどで50インチ(約1270mm)を超える大雨で、45万人が災害支援を必要としていると見積もられています。
ガソリン価格は7%上昇し2年ぶりの高値$1.7799/gallonに、原油価格は3.4%の下落(製油所需用減見込み)で$46.25/barrel、エクソンの世界第2位の製油所を含む300万バレル相当の製油所がシャットダウンし、イーグルフォード等を含むシェールオイル田にも影響が出ています。
WTIと、もう1つの原油価格ベンチマークであるBrentの価格差スプレッドは、2015年来の5ドル台に乗りました。
参考
Insurers and energy companies count the cost of Harvey https://www.ft.com/content/a7492b8a-8c11-11e7-a352-e46f43c5825d
追記
WTIは上昇ではなく下落(sank)でした。Davidさんご指摘ありがとうございました。何か変だなと思ってましたが、満員電車でよくわからんくなってました。ちょうど9月末で、連邦政府の補助による洪水保険プログラムが更新時期を迎えます。アメリカの多くの地域では、この連邦プログラム以外に、洪水に対する保険が提供されていません。政府側の債務が積み上がるなどの問題があり、制度の改革が課題となっているのですが、ちょうど予算審議や債務上限の引き上げ期限と時期が重なるため、審議の難航が懸念されています。今回の災害をきっかけに、改めて改革促進の機運が高まると良いのですが。
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