【岡島悦子×前田裕二】リーダーシップと年齢は相関しない

2017/8/21
40歳が社長になる日』の著者、岡島悦子氏は、「2025年、日本の大企業にも40歳社長が多く誕生する」と予測する。なぜこれから「40歳社長」の時代が来るのか。企業のリーダーシップのあり方はどう変わるのか。そして、どのような人材が「40歳社長」になるのか。経営者や識者らとの対談などを通じて、その答えを探っていく。

今回は岡島氏が「リーダーシップと年齢に相関はないことを今日本で最も顕著に証明できる30歳」と称するSHOWROOM代表の前田裕二氏と対談する。

10歳からビジネスをしてきた強さ

──岡島さんの新著のタイトルは『40歳が社長になる日』ですが、今回の対談相手の前田さんは30歳です。岡島さんは著書の中で「これからのリーダーに求められる10の資質」を紹介していますが、前田さんがこの10の資質の中で、特に優れていると思う点はどこですか。
岡島 『40歳が社長になる日』は、実は全ての世代のビジネスパーソンをターゲットとして書いています。「リーダーシップと年齢は相関しない、相関は意思決定の経験量」と言ってはいます。が、その中でも前田さんの場合は非常に特殊かつ顕著な事例です。
なぜなら、前田さんはただの30歳ではないからです。10歳から稼いできている。つまり、もう20年もビジネスをしてきているんです。
私は「経営トップは意思決定の場数が大事」だと常に言っていますが、小さいころからビジネスをしてきた前田さんには意思決定をする場数は相当あったはずです。
岡島 悦子(おかじま・えつこ)
プロノバ代表取締役社長。三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー、グロービス・マネジメント・バンク事業立ち上げなどを経て2007年、プロノバを設立。 アステラス製薬、丸井グループ、ランサーズ、セプテーニ・ホールディングス、リンクアンドモチベーションの社外取締役を務めている。グロービス経営大学院教授、経営共創基盤 アドバイザー、グロービス・キャピタル・パートナーズ ヒューマン・アドバイザー。
しかも、家庭の事情もあったわけですが、何の後ろ盾もないところから「弾き語り」という場をみつけ、「一番効率よく稼ぐには」という仮説検証を10歳から重ねてきている。生活がかかっているというリアルさと、年齢などの制約があるから生み出されてきた「思考の癖」の仮説検証の場数感の年季が半端ない。