普通の人の貯金はどれくらいあるのか
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正規分布とかでなければ元々統計的に平均値の意味はあまりありません。
貯蓄の分布は現象としても、理論的にも、指数分布になることが知られています。(指数分布f(x)=a・exp(-ax) (x≧0)ならば、平均値は存在し、1/aとなります)
自由なお金のやり取りが可能な経済においては、貯蓄の分布は統計物理的なカノニカル系の平衡状態である、ボルツマン-ギブス分布(指数分布の一種)、つまり気体における分子の各エネルギー状態における状態数と構造上同じになると考えられます。つまり、自由な経済では、放っておけば誰かが偶然に圧倒的な金持ちになり、その分布構造は揺らぎをもちつつ固定化する。
A. Dragulescu, et al., 2000
http://physics.umd.edu/~yakovenk/papers/EPJB-17-723-2000.pdf
一方、所得分布は貯蓄とは異なり、高額所得者はパレート分布(べき分布、p(x)=Cx^α)、それ以外の領域では対数正規分布(Gibrat分布)となると言われています。
おそらく、高額所得者は資産運用益が大きいので複利的になり、指数関数が構造上カスケードに重なりあってべき分布、つまりパレート分布になると考えられます。
一方で、非高額所得者は、給与所得が多いと考えられ、その増加スピードは経済成長率に依るのでたかだか年率数%でしかなく、その伸び率の分だけ正規分布を歪めて対数正規分布となるのでしょう。
ピケティのr>gは自由経済のもとでは統計現象としては自明(トリビアル)なわけですね。そこに心理的な作用が生じ、不公平感が爆発すると政変が起きる。人類社会はその繰り返しですが、地球規模になっているのは史上初かも知れません。
日本のディッピングポイントは、所得が下がり始めた1996年入社組の現在44歳くらいから下の世代が、50代になって人生を振り返り、己の不遇の度合いを認識して社会にブチ切れる。日銀が買う国債がなくなって、安倍政権が終わり、経済政策の失敗の責任を取らされる次期政権あたりとなると、5-10年後でしょうか。その時のためにこそ、我々は備えなければならないのだと思っています。おー、貯蓄についての分析で、普通に出るツッコミである
・平均は富裕層が引き上げてるだけだろ
・貯蓄ゼロの人を抜かしたら平均じゃねーだろ
・高齢者が持っているだけだろ
・住宅ローンを抱えているので合計しないと意味ないだろう
というものに、全てきちんとに答えているものを初めて見ました。保存版。
書いた方は存じ上げないですがITコンサル(見習い)ということで、良い分析をしてくれそうです