(Bloomberg) -- シリコンバレーの企業で白人男性に対する敵対的な姿勢を社員に批判されたのは、アルファベット傘下のグーグルだけではない。ヤフーとインドに本社を置くタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)も、白人男性に差別で訴えられている。

グーグルのエンジニアだったジェームズ・ダモア氏は、職場のダイバーシティ(多様性)を高めようとする同社の取り組みを批判し、女性が男性に比べ技術職に適さないのは生物学的な違いが一因だと社内文書で主張。これが批判を呼び、同氏は解雇された。

ヤフーでは2人の男性が昨年、女性従業員を有利にするように勤務評定が操作され、不当に解雇されたとして訴訟を起こした。原告は、マリッサ・メイヤー前最高経営責任者(CEO)がこの評定プロセスを承認し、解雇の判断にも関与していたと主張。判事は先月、メイヤー氏に証言を命じた。ヤフーは不正の事実はないと主張し、メイヤー氏証言への反対を表明した。同氏はこの裁判の被告人に含まれていない。メイヤー氏とは現時点で連絡が取れておらず、実際に証言を行ったかどうかは裁判所への提出書類から明らかでない。

TCSは、米国内の事業所でインド人以外の従業員が差別されていたと主張する3人の男性に訴えられた。TCSはこうした主張は事実無根だとし、原告は差別がパターン化していたことを証明できていないと反論した。

トランプ氏が大統領に選出され、右派メディアを運営していたスティーブ・バノン氏が政権中枢職に登用されて以来、ダイバーシティー政策支持に対する反撃の勢いは強まっている。

グーグルを解雇されたダモア氏の文書は社内で広く閲覧された後、保守系ウェブサイトの一部が取り上げ、正々堂々と意見を述べたと称賛した。ダモア氏は先週、自身の名誉がグーグルの解雇で傷ついたと全米労働関係委員会(NLRB)に訴えた。同氏はブルームバーグの取材に対し、一層の法的措置を取る予定だと述べたものの、何を根拠とするかは明かさなかった。

原題:From Google to Yahoo, Tech Grapples With White Male Discontent(抜粋)

--取材協力: Scott Moritz 、 Brian Womack

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