日本の「中庸政治家」はもはや絶滅寸前だ
2017/8/15
高村正彦氏との対談秘話
細谷 三浦さんと自民党の高村正彦副総裁の共著である『国家の矛盾』は、他の政治家の対談本や、多くの類書とは明らかに違いますね。
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多くの方にお読みいただき、とても嬉しく思います。ここで私が用いている「中庸」の概念はアリストテレスの『ニコマコス倫理学』で用いられている使われ方と似たものです。私は、プラトン的なイデアではなく、アリストテレス的な中庸にこそ、政治における倫理を考えるヒントがあると考えています。それは神や哲人の領域というよりも、不完全な存在としての人間世界の技術的な領域と考える方が、適切だと考えていますが、むしろそのような領域が狭まっているのではないか、というのがこの対談での問題意識でした。丸山真男も、そこに技術としての政治が介在する余地があると述べていました。
現実の政治を動かすために愛という情熱や理念を語るのは良いが、その愛の担保に冷徹なリアリズムも必要だと思う。その昔、政治で愛を語り、注目された鳩山由紀夫氏のことを忘れてはならない。
政治家のポジションが両サイドに広がり中庸が沈没するという動きが世界的潮流だとすると、必然的に28か国共通の政策を意思決定しなければならないEUは困ることになるでしょう。極左も極右もいれば、中庸(?かどうかはさておき)として「リベラル最後の砦」のドイツもいる。より具体的には金融政策は19か国に対して1本のみ。欧州の政治リスクが収まったとはやはり思えず、大国の総選挙が行われる度に定期的な市場混乱になるのでしょう。
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