【BCG杉田代表】大企業の新規事業が失敗する“2つのポイント”

2017/8/2
数々の新規事業を生み出してきたリクルート。なぜリクルートは、個人のアイデアを拾い上げてブラッシュアップし、柱となる事業に育てることができるのか。『リクルートのすごい構“創”力』の著者、ボストン コンサルティング グループ日本代表の杉田浩章氏に「リクルートの手法」を聞いた。
──杉田さんの著書『リクルートのすごい構“創”力』には、単なるアイデアを新規事業にまで成長させる9つの方法論が書かれています。それらはビジネスモデルから組織論まで、さまざまな要素を含みますが、特に重要なものはなんですか。
杉田 強調したいのは、単なる仕組みだけでは新規事業はできない、ということです。9つのメソッドは確かに重要ですが、それはあくまでも、人に何を強烈に意識付け、そして人材をどう変えていくかという観点とセットで活用していかなければなりません。
組織全体のマインドセットをベンチャー的に変え、その風土に合う人材こそを評価し、価値を見出していく。そういう組織づくりの助けとなるのが9つの方法論だと考えています。
実は、本書の裏テーマは、リクルートへの問いかけでもあるのです。私は現在、そしてこれからのリクルートに対して「こうしたイズムを、組織的にこれからもきちんと持続、革新させていくことにチャレンジしてほしい」というメッセージを送りたかったんです。