【竹中平蔵】「リカレント教育」に投資せよ

2017/7/1
NewsPicksとHIPとのコラボによるセミナーシリーズである「HIP conference」。街をイノベーティブにするために重要な要素をひとつずつとりあげ、その業界の多様なトップランナーとともに議論を深めてきた。全7回のシリーズ最終回には竹中平蔵氏を迎え、「東京の成長戦略」「東京が世界一の都市になるための課題」「テクノロジー、アートをどう東京に取り込むべきか」などを議論した。インタビュアーはNewsPicks編集長の佐々木紀彦が務めた。(全2回)
前編:東京を「世界一」にするための戦略

シンガポールとの違い

──ここからみなさんの質問を募りたいと思います。竹中さんに東京の未来や政治の問題について、何でもいいのでどんどん質問してください。林さん(林千晶氏)どうぞ。
林 私はレギュラトリー・サンドボックスに興味があります。
この会場に来ている方は比較的若い方が多いと思いますが、これからどのような領域で日本人の若手の起業家が活躍していけばいいと思いますか。
もちろん「起業家はそんなアドバイスを気にしている前にやるよ」という考え方もあると思いますが、竹中さんから見たときに「このあたりは規制が緩んでいるからチャンスだ」という領域はありますか?
林千晶(はやし・ちあき)
株式会社ロフトワーク代表取締役
2000年にロフトワークを起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、ロフトワークが手がけるプロジェクトは年間200件を超える。デジタルものづくりカフェ「FabCafe」を世界8カ所で運営。MITメディアラボ 所長補佐も務める。2015年4月には「株式会社飛騨の森でクマは踊る」を設立、代表取締役社長に就任。著者『シェアをデザインする』『Webプロジェクトマネジメント標準』など。
竹中 私が親しくしている人工知能の専門家は「人工知能については、理屈で説明してもある一定以上の年齢の人には分かりません」と言います。
恐らく、私も人工知能について本質的には理解していないし、多くの霞が関や永田町の人も理解をしていないと思う。