【新】パチプロから社長。「よなよなエール」に賭けた大逆転人生

2017/6/26
「プシュ」。今年も暑い夏が目前に迫り、缶ビールを開けた時に響くあの独特の音に心躍らせる人は多いだろう。
しかし、今からさかのぼること17年。あるビールメーカーの男たちは、この音を聞くたびに、唇を噛み締めながら悔しさを味わっていた。
倉庫に山積みになった売り先のない大量のビールの在庫を、自らの手で排水溝に流して捨てる。そんな作業が男たちの日課だったからだ。
ヤッホーブルーイング。
「よなよなエール」の製造元として知られる国内で最大のクラフトビールメーカーだ。
低迷する国内ビール市場において、なんと12年連続で増収増益を果たす業界の有望株だ。
大手ビールメーカーもヤッホーの成功を目にしてクラフトビール市場へ参入しており、今や業界全体に影響を与える存在になっている。
しかし今では想像もつかないが、かつてヤッホーは倒産の危機に瀕していた。
売上高の実数は非公表
ヤッホーはいかにして復活したのか。なぜ、低迷するビール業界で成長を続けられるのか。
躍進の立役者で、元パチプロという異例の経歴を持つ井手直行社長のインタビューを前編・後編の2回にわたってお届けする。