あなたもサイコパス！？サイコパスは会社に沢山いると思うのです...。 - まるのブログ

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• 土屋 武司

  東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授

  ・2017年06月18日

  中野先生の「サイコパス」 http://amzn.to/2sBo16n は興味深かったです．
  面白かったのは，サイコパスには，犯罪を犯して刑罰を受ける「負け組サイコパス」と，社会的成功を収めている「勝ち組サイコパス」がいること．歴史に名を残した多くの偉人は「勝ち組サイコパス」の例であるという．織田信長，毛沢東，ピョートル大帝，マザー･テレサ等々．マザー･テレサは多くの貧しい人々を救ったというイメージが強いが，実際には援助した子どもや側近に対しては，とても冷淡だったそうだ．最近では，企業のCEOに多いという．
  サイコパスにも存在理由がある．サイコパスは文明が進む中で生まれたわけではない．少数民族や太古の人類にも見られる．遺伝が関係しており，自然淘汰されずに残ってきたということは，何らかの適応的な意味がある．生物が進化する過程で，さまざまな危険と遭遇し，それを恐怖として学習し子孫に引き継いていった個体と，恐怖を学習しない個体がいて，恐怖を学習しない個体がサイコパスである．危険が潜む場所にも物怖じせず，人間が海を越え，山に入っていく時にその先頭を切っていった．また，一般的な人なら同情心が先にたって判断できない問題について冷静で的確に判断を下し，合理性に基づいた行動をするのも得意．そこにサイコパスの存在意義があるそう．
  社会の変革が叫ばれるときは，サイコパスが活躍する時代かもしれない．
  
  最近，「サイコパス」という言葉が独り歩きしている感がある．