【読書案内】中国IT企業の今を知る、将来を予測する
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注目のコメント
連載「中国ITジャイアント」の番外編として、読書と情報サイト案内です。ここで取りあげた書籍は全て目を通し、サイトは私が普段利用しています。最初の新書2冊だけでも理解が進みます。
「中国ITジャイアント」バックナンバー
https://newspicks.com/user/9467
経営者や企業を扱った日本語書籍が限られてます。日本語の本で何冊か紹介していますが、これで足りるのではなく、これだけしかない、ということ。時価総額世界第9位のテンセントについて、日本語の本がゼロだったのは衝撃的でした。その意味で、永井さんが手がけてきた中国語書籍の翻訳本は貴重です。これから更に新しいものがでることを期待したいです。
今回の連載では英語書籍や各種報道もかなり読む必要がありました。China Startup Newsは日本語なので助かります。中国に住む方や各方面の専門家の方にもお世話になりました。
日本語の分かる中国人、中国語の分かる日本人が沢山いるのですが、情報の流通あり方、これは私たちも含めたメディアの責任を痛感するところです。
追記:今回の連載の意図は、中国すごい、日本ダメ、というのではなく、「巨大な隣人を適切・中立に理解することの一助」にあり、そこからそれぞれの読者の方が考え、ビジネスの場でのアクションにつなげて頂くことでした。情報の網羅でもありません。Chen Chunさんのコメントの最後の部分は、そうした想いを代弁してくださったように感じます。
例えばWeChatPayは中国という環境から産まれてきたもの。日本は国内だけ考えたらFeliCaで全然いいと思います。ただ、中国の発想の柔軟性やトライ&エラーの高速回転は、日本の環境を使いながら融合して工夫したらすごいものが産まれるのではないか、と思います。日本人と中国人の良いところを出し合って、新しいことをやってみたい、という中国の若者には結構会います。
一週間で計10本の記事をお読み頂き、ありがとうございました。私の他には、野嶋記者、佐々木編集長、デザイナーの砂田という体制で連載を進めました。東南アジアを動き回る私、東アジアを動き回る野嶋、東京の佐々木・砂田というリモート環境での協業でした。今回の連載で頂いたコメントは全て目を通してます。今後の記事に生かしていきます。chen chunさんのコメントの通りだと思う。若手の大局観の無さ、と言うのを感じる。
また、泥沼合戦は特に合意。こう言うのは会社だけでなく、人間関係全てで起きている。
組織やチーム空気を読む力が求められる一方で、外側への関心の無さに度肝を抜かれるレベル。
業績出してる人に対しても、不都合であればFeedbackではなく、我関せずを貫く。
上層はEfficient ではなく、Effective で評価しないと、タスクは横から横へ流れるだけ...
また、会社の新しい取り組みで先に動くと、従来の前提に固執する人がボトルネックになって前に進まない。最早、悪者扱い。会社や世の中の変化への適応、と言う説明なんて関係ない。
このように、考えず、都合良く調整して、仕事を流す作業を、表面だけでやってきたオフィスの裏方が、ITに取って代えられるのだろう。
会社側の問題も勿論あるだろうけど...どれも興味深い書籍ですが、個人的に勉強になったのは伊藤亜聖先生の「現代中国の産業集積」ですね。
中国は生産地か消費地か?という問いに対し、実はその両方ではないか?と新たな見方を提示してくれています。
具体的には、人件費高騰の影響を受けやすい労働集約型産業であっても未だに世界の「生産地」であることを定量的に示した上で、その背景にある産業集積としての中国の強さを豊富なフィールドワークで裏付けています。
これを読むと、生産地から消費地へ、というのは、安い労働力目当てで中国に工場を作るに留まり、現地ネットワークに入れなかった日本企業の偏見かもしれない、と思わされます。
考えてみれば、mobikeのような事業は、圧倒的なスピードとコスト実現可能な生産者と、新しいものを楽しむ消費者、そして両者をつなぐITと金融がなければ生まれてこないはずですから、やはり生産地か消費地か、という見方はおかしいのでしょう。
そのような、無意識のうちにある色眼鏡を、(中国本によくある「絶叫」スタイルではなく)データと論理で淡々と突き崩してくれる、良書だと思います。