[東京 25日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸した。ドル/円<JPY=>が111円台と円高基調を続ける中で小安く始まったが、好業績の内需株が底堅く推移。指数はプラスに転じると、先物主導で買われ上げ幅を拡大した。ソフトバンクグループ<9984.T>の上昇も底上げに寄与したが、石油輸出国機構(OPEC)総会など重要イベントを控え、次第に様子見姿勢が広がった。

5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表を受け、米長期金利は低下した。一部ではハト派的とも受け止められたという。東京市場は銀行株に売りが先行した一方、前日に米半導体エヌビディア<NVDA.O>株を40億ドル保有していると一部で報じられたソフトバンクグループが堅調。同社1銘柄で日経平均を約37円押し上げる要因となった。

TOPIXも続伸。好業績の内需株の一角が底堅い動きを見せた。業種別では電気・ガスが上昇率トップ。半面、下落率トップは鉱業となり、鉄鋼がこれに続いた。東証1部の売買代金は3営業日連続で2兆円を上回ったが、人気化したソフトバンクと任天堂<7974.T>の2銘柄分が全体の1割弱を占めた。

前場中盤に日経平均は一時107円高まで上げ幅を拡大。「GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)のS&Pミニ先物に買い入り、日本株も追随した」(外資系証券トレーダー)との声が聞かれた。ただ後場の値幅(高値と安値の差)は約38円にとどまるなど、徐々に全体相場はこう着感が強まった。

丸三証券・投資情報部長の牛尾貴氏は「海外の不透明要因と良好なファンダメンタルズの綱引きの様相となっている。日経平均の2万円突破には新たな材料が必要」と指摘。「OPEC総会では9カ月間の減産延長を市場は織り込んだが、延長期間が短くなるなど結果次第では市場にはマイナスの影響を及ぼす可能性もある」とみる。

個別銘柄ではアイシン精機<7259.T>がしっかり。リズム時計工業<7769.T>は一時20%を超す上げとなった。ともに前日に発表した自社株買いが好感された。半面、ダイキン工業<6367.T>がさえない。直近で発表された米国の住宅関連指標が相次いで市場予想を下回ったことを受け、重要市場での空調機器販売への懸念が株価の重しとなった。

東証1部騰落数は、値上がり817銘柄に対し、値下がりが1039銘柄、変わらずが160銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19813.13 +70.15

寄り付き    19737.21

安値/高値   19720.12─19850.93

TOPIX<.TOPX>

終値       1578.42 +3.31

寄り付き     1573.94

安値/高値    1572.60─1582.66

東証出来高(万株) 167727

東証売買代金(億円) 22213.95

(長田善行)