好きな仕事をするためには「報・連・相」と「マツタケ」が重要だ

2017/5/23
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
23日は、電通のコピーライター・阿部広太郎さんが出演。「藤井健太郎 × BiSHアイナ・ジ・エンド × 高根順次が語る、『好きなことで生きていくホントの方法』」(Real Sound)を題材に、好きな仕事をしていくうえで必要なポイントについて、解説しました。

縦と横の動きが重要

サッシャ 今日は、「好きなことで生きていくホントの方法」というトピックにフォーカスです。
寺岡 解説してくださるのはNewsPicksの公式コメンテーター「プロピッカー」の阿部広太郎さんです。
阿部さんは、電通のコピーライターとして活躍されており、東進ハイスクールの講師・林修さんの「いつやるか? 今でしょ!」で話題になったCMの制作にも携わられました。おはようございます。
阿部 おはようございます。
サッシャ 今回の記事で一番引っかかったところはどこですか?
阿部 この記事をピックしたのは、最近コピーライターだけではなくプロデューサーの仕事もするなかで、どうすれば仕事が務まるだろうかと考えるうえで、すごく参考になったからです。
自分が面白いと思うものや、好きでやりたい仕事を「色んな人を巻き込みながら成立させるためにはどうすればいいか」に関するヒントが書かれていたので、刺さりましたね。
サッシャ なかなかプロデューサーってね。
寺岡 一般的には「何をやっている人なんだろう」という疑問もあると思うんですよね。
サッシャ 音楽や映画など、業種によってもプロデューサーの役割は違いますよね。阿部さんが考える「プロデューサー像」はどういうものですか?
阿部 僕は2つキーワードがあると思っていて、「報・連・相(ホウレンソウ)」と「マツタケ」であると言っています。
「報・連・相」とは、いわゆる「報告、連絡、相談」という縦の動きですよね。
サッシャ おなじみですね。
阿部 つぎの「マツタケ」とは、「巻き込み、つながり、助け合い」という横の動きなんです。
この縦の動きと横の動き、つまり組織内における調整力と社外における交渉力の両方ある人が、いいプロデューサーじゃないかと思っています。
サッシャ なるほど。具体的に、プロデューサーとしてはどういうことを主軸に置くのがいいんですか?
阿部 この縦の動きと横の動きを用いながら、色んな関係者を増やしていくことが、プロデューサーの役割かなと思っています。

自分の考えを周囲に共有する

サッシャ ラジオを聴いている方は必ずしもプロデューサーの方だけではないのですが、一般の人も仕事で役立つんですか?
阿部 役立つと思います。どんな仕事でも、自分のやりたいことは必ずあると思うんですね。
そのときに、「これをやりたい」と思っても、自分がやりたいだけだと周りの人も応援してくれない。
「どうやって応援してもらえるようにするか」というとき、「報・連・相」も「マツタケ」も大事になるんです。
普段から助け合ったり、つながったりしておくことで、いざ自分がやりたいときに応援してくれる人が増えていると思います。
プロデューサーに限らずとも、そういう動き方が大事だと思っています。
サッシャ 阿部さんが、日頃からしていることはありますか?
阿部 自分が「次にやりたい」と思うことを、上司にこまめに伝えています。
たとえば、オフィスのエレベーターで一緒になるタイミングがありますよね。そういうときに「いま、こんなことやっています」と、さりげなく言うなど、普段の雑談も活かすようにしています。
サッシャ 常に自分が何を考えているか、周りの人にシェアしておく、ということですね。
阿部 そうですね。共有することで「それいいじゃん」「もっとこうした方がいい」と声をかけてもらえる機会が生まれるので、大事にしています。
サッシャ テリー(寺岡)さん、ミュージシャンとプロデューサーの関係ってどういう感じなの?
寺岡 ミュージシャンは曲をつくったり、表現をしたりする立場の人なので「自分がやりたい」という気持ちは強いと思うんです。
それに対してプロデューサーは、私のイメージでは「引きで見る」というか、その人の個性や、やりたいことを第三者の客観的な視点から見て「こっちの方が合うよ」とか「これを組み合わせたら面白いんじゃないか」と提案して、一緒につくっていく人ですね。
サッシャ 「こうじゃない?」と、ガイダンスもしながらね。
寺岡 俯瞰している感じですね。

プロデュース能力の必要性

サッシャ それでは、プロデューサーやプロジェクトマネージャーだけでなく、どんな立場の人でもプロデュース能力は持っておいた方がいいんですかね。
阿部 持っておいた方がいいと思います。
特に、自分のやりたいことに関する意義や大義名分を上手く説明できる力や、共感してもらえる力があると、どんな仕事も進めやすくなります。
サッシャ なかなか人の懐に入るのが苦手な方もいると思うんですけれど、その点に関するアドバイスはありますか?
阿部 自分が伝えたいことや言いたいことを上手く言い出せない場合は、心の内面を吐き出す意味でも、まずは書き出した方がいいと思っています。
ツイッターでもフェイスブックでもいいと思うんですけれど、出す訓練をしておくと、いざ何かあったときに言えるのかなと思います。
僕も訓練として、思いついたことはメモしたり、ツイッターでつぶやいたりしています。

「思い出してもらえる人」になる

サッシャ 最後に、いいプロデューサーの条件を聞きたいと思うんですけれど。
プロデューサーだけでなく、自己プロデュースも含めて、条件はありますか?
阿部 「思い出してもらえる人」になるのが、本当に大事だなと思っています。
みなさんも困ったときに「あいつに相談しようかな」と思う人が必ずいると思うんです。僕はその「あいつ」になりたいんですよね。
サッシャ 彼だったら、彼女だったら何とかしてくれるかもしれない、という人ですね。
阿部 だからこそ、僕も周りの人の役に立ちたいし、自分が関わる人を幸せにしていきたいと思いながら、仕事をしています。
サッシャ 自分のために仕事をしていても、常に人のことを考えながら行動できる人間になるということですね。
阿部 それが、本当にいいプロデューサーじゃないかなと思います。
巻き込む人をポジティブに、幸せにできるのがプロデューサーだと思うので、そこを大事にしたいですね。
サッシャ なるほど。周りを引き上げる人ですね。
阿部 引き上げてくれて、話すと「楽しい」とか「面白い」と思ってもらえる人です。
サッシャ 肩肘張らずに、構えずに、ということですね。簡単そうで、実は一番難しいのかもしれない。
阿部 本当にそうなんですよね。
サッシャ だけど、人のことを考えて行動するようになると、自分の行動も変わってくるかもしれませんね。すごく胸に響きました。阿部さん、ありがとうございました。
阿部 ありがとうございました。
※本記事は、放送の内容を再構成しています。
今回のニュースをはじめとした阿部さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
24日はクラシコム代表の青木耕平さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください