【新・窪田新之助】2020年に激変する農業の未来の形とは
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注目のコメント
先日のセミナーでも小泉進次郎さんが「newspicksアグリやりましょう」と言ってましたが少しそういう文脈の内容ですね。既存の報道機関では扱えないようなテーマをNPで扱うというのは「自由な経済紙」として良いポジションです。
昨日も地方のおじいちゃんがITを駆使して収入が4倍になったという事例を聞きました。その方曰く「農業は儲かる」とのこと。一方で、テクノロジーを入れてもデータの蓄積に時間がかかるので思ったような成果が上がらない、という事例もよく聞きますので、ロボットなどの可能性と限界が見えるといいな、と思いますAgTech(農業×テクノロジー)は、今後飛躍的に発展する可能性が非常に大きいと思っています。
しかし、これまでもコメントさせて頂いていることですが、現在のAgTech(農業×テクノロジー)にはエネルギーの視点が欠けていると思っています。
栽培環境を制御する人工口型植物工場や太陽光利用型植物工場の場合、生産コストのうち、光熱水料費が20~25%を占める点は、採算を確保できない大きな要因となっています。
また、次世代機能性食品や生物機能を活用したワクチンなどを生成する元となる農産物の生産には、膨大なエネルギーを必要とします。
今後、AgTech(農業×テクノロジー)を普及させていくためには、エネルギーの視点を追加し、「エネルギー消費型農業からエネルギー創造・利用型農業」への転換を行うことが不可欠だと考えています。いま、農業ITの流れが勃興していて大変期待が高まっていますが、生産者の立場としては農業の現場にもっとサイエンス(植物生理学、あるいはゲノム)を理解出来る人材が入ってくる必要性を強く感じています。
結局、ドローンやセンサーなどはデータを送受信するツールでしかなく、徹底的にユーザー目線からニーズを最適化するユーザープラットフォーム側と、何のデータをどう解釈するのか?というサイエンスアルゴリズムのところ、つまりスマイルカーブ的な付加価値の二極化が起こってくると思っています。
Agri -- Tech -- Science という振り子の振り幅を大きくしていかないと、農業の革新は厳しくなっていくと思います。今の日本の農業ITはTechだけで止まっている感覚を持っています。
つまり、農業は(IGPI冨山さん曰く、農業に限らず全産業と仰っていますが)ITだけで収益EXITするのはかなり難しいということを、改めて理解する必要があるのではないかなというのを個人的に感じてます。
日経新聞のアグリサミットに少しお邪魔して色々見聞きしましたが、さらにその思いを強くしました。