【小泉進次郎】なぜ“全農改革”が必要なのか

2017/5/14
NewsPicksでは2月に「NewsPicksカンファレンス」と題したイベントを開催した。その中から「ニューリーダーへのメッセージ」というテーマで実施した小泉進次郎氏によるトークセッションをリポートする。モデレーターはNewsPicks編集長の佐々木紀彦が務めた。

農産物をどう輸出するか

──会場には、さまざまな分野のビジネスパーソンが集まっています。今後の農業にとって、こうした皆さんとの連携は大切だと思うのですが、小泉さんに意見や質問のある方はいますか。
(手が挙がる)
──真っ先に手を挙げたムーギー・キムさんいかがでしょうか。
ムーギー ムーギー・キムです。私は、世界中の起業家を育成するための投資ファンドを運営しています。その一環として、日本企業の海外進出もサポートしたいと思っています。
私はシンガポールと香港に長く住んでいますが、海外では日本の果物がとても高く売られています。桃が1個2000円、ブドウは1房3000~4000円と、日本の5倍もの値段がついています。
とくに中国では、食の安全性の観点から日本の農産物にプレミアがつく。こんなに商機があるのに、なぜ日本の農産物をもっと海外に押し出さないのだろうと不思議に思っています。
一方で、私が日本の地方で講演をする時、農家の方から「海外に売り出したいんだけど、どうすればいいか」と相談を受けることが少なくありません。
互いに求めているのに、それがスムーズに運んでいないように感じるのですが、国として、農産物の輸出に関してどういったサポートをしているのでしょうか。逆に国から見て、民間がどういうサービスを展開することが望ましいのでしょうか。
小泉 ちょうど今年4月から、農水産物の輸出支援組織が新しく立ち上がります。経済産業省の関連団体「ジェトロ」の一部としてスタートします。
今まで、農業分野と経済分野の連携は、ほとんどありませんでした。JAビルと経団連ビルは、大手町で隣にあるのにまったく関わっていなかった(苦笑)。これからは経済との融合が必要ですから、そのための第一歩です。
役所は商売が苦手ですから、この組織は、将来的に民営化する前提で立ち上げました。
はじめはジェトロからですが、近い将来、民間のさまざまなサービスが切磋琢磨することで、農水産物の海外輸出がより強化できると期待しています。