“プロ”が育つ組織の条件

2017/5/12

芸が育つ置屋とは

楠木 弁護士のアドバイザリーという仕事はものすごく不定形で、自分の芸を身につけるための教科書や定型的な方法論がない仕事ですね。
佐藤 そうですね。
楠木 ところが、現在、多くの人、とりわけ若い人ほど「教科書や決まった方法なんかないよ」と言うと、「それを言っちゃあおしまいよ……」ということになる。方法論がないことを非常に嫌がるんですね。
とにかく「どうやったらできるようになるのか、それをまず教えてくれ!」というリクエストがでてくる。そんなこと言われても、答えようがないんですね。だからこそ、人間社会の知恵としての「芸者置屋」という制度がある。僕はそのように思っています。