最低賃金は上げるべきなのか

2017/4/27

SとCの溝を埋める方法

──せっかくの場なので、どんどん冨山さんに質問していただければと思います。質問のある方は挙手をお願いします。
友岡 友岡と申します。私もIoTの事業をやっていますが、冨山さんのシリアスとカジュアルという話はすごく響きました。
シリアスな世界だとIoTの所って本当によく分からないし、カジュアル側となかなかコミュニケーションがうまくできていません。どこの会社も実はIoTって言っているけれども、それはM2Mでやってた所がIoTと言ってるだけで本当はまだIoTは出てきていないと思います。
シリアスとカジュアルの中には、そういったどうしても埋められない溝みたいなものがあると思いますが、そこはどうやって埋めていけばいいのでしょうか。
冨山 そこに答えがあったら、それで私も商売やっちゃいます(笑)。
ただ、シリアス側からすると問題の所在は分かっているんですよね。トヨタのTRIがいい例ですが、そのような会社は出島を作ろうとしています。
トヨタのような会社が国内でTRIのようなことをやっちゃうとシリアス軍団に殺されちゃうんで、出島っぽいもの、セミオープンキャンパス的な空間を作る努力をしています。
このように、みんなそういった出島のようなものにうまく乗っかって、そこで色々な試行錯誤をするのかなという仮説は持っています。
国内でも既に先行してやっている事例はありますが、僕自身のトライアルで言うとKDDIのケース(KDDI ∞ Labo)があります。あれは実はちょっとしたポイントがあり、要は大企業がプラットフォームを用意したスタートアップアクセラレータモデルですよね。
アメリカだとあの手のモデルのスポンサーの人たちが個人がやることも多いのですが、日本だとそれはちょっと難しいです。
日本では大企業をスポンサー側に立て、そこでカジュアルな人たちがいろいろオーディションを受けるというモデルでやっています。これも一種の出島です。