[東京 13日 ロイター] - 第一生命ホールディングス(HD)<8750.T>の社長に1日付で就任した稲垣精二氏は、2018年度にカンボジアで生保事業を開始する計画を明らかにした。生命保険商品へのニーズ拡大が見込める地域に進出し、収益源の多様化を図るのが狙い。ロイターのインタビューで述べた。

第一生命は昨年7月、カンボジアに駐在員事務所を設立しており、今後は単独か、合弁会社の設立で生保市場に参入する予定。稲垣氏は「メコン地域を次のエマージング市場とし、アジア事業で培ったノウハウを適用していきたい」と述べ、メコン地域の他の国でも事業を展開していく意向を示した。

第一生命は同地域において、タイ、ベトナムに進出している。ミャンマーの最大都市、ヤンゴンにも3月、駐在員事務所を設立した。 稲垣氏は海外展開について、米国では子会社のプロテクティブ・ライフを通じた買収を積極的に考えると述べた。

一方、欧州でのM&A(合併・買収)の可能性については、優先順位が「米国、メコン地域の次になるので、タイミングはもう少し先になる」と述べた。

稲垣氏は1986年入社の53歳。運用企画部長、経営企画部長などを歴任し、2010年の同社の株式上場に向けた相互会社から株式会社への転換などの作業を、株式会社化推進室長として取り仕切った。

稲垣氏は、第一生命の安定収益源となっている資産運用業務について、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>との共同出資会社であるアセットマネジメントONE(AMONE)を通じ、他の生保会社からの運用受託を模索していると述べた。

第一生命は2016年、かんぽ生命保険と業務提携で合意。かんぽ生命は2月、AMONEと共同で開発したファンドに1000億円を投資している。

稲垣氏は、AMONEは生保会社の運用の特性に合った商品開発を強みとしており、他の生保からの運用受託についても、AMONEを軸に検討していると話した。

(浦中大我)